大船警察署の署長に就任した 福島 康雄さん 大船在住 59歳
防犯は小さな努力の積み重ね
○…大船警察署の署長に就任して2カ月あまり。署員約120人のまとめ役として「責任の重さに、身の引き締まる思い」と話す。「大船は繁華街があるものの事件、事故が少なく安全な地域という印象。ただ振り込め詐欺などは年々増加傾向にあるので、街の人たちがより安心して暮らせるよう全力を尽くしたい」と意気込む。
○…群馬県出身。小学生のころは草野球、中学では陸上部で砲丸投げに打ち込むなど、昔からスポーツが好きだった。高校では「ブルースリーのアクションを見た影響」で空手部へ。「小さなことからコツコツと」という信条を胸に稽古を続けた結果、高2の時、県大会の個人戦でベスト8に。また、部長を務めた高3では団体戦でチームを関東大会優勝に導いた。
○…大学進学と同時に神奈川県に移り住み、卒業後、警察官の道へ。きっかけは「高校時代、交番のお巡りさんの制服が格好良く見えたから」と笑う。20代で交番勤務をしていた時代は「『巡回連絡』として、よく地域の家庭を訪問し、防犯を呼び掛けたり身近な犯罪などの相談に乗り、多くの市民と親しくなった。年賀状を出し合う仲になった人もいて、楽しかった」と振り返る。
○…県外での活動経験も豊富で、警ら隊として沖縄県の海邦国体での警備のほか、阪神淡路大震災の10日後には、救助部隊として神戸市に急行。復旧がスムーズに進むよう、緊急交通路の確保などに尽力した。「瓦礫だらけの惨状を前に、この経験を神奈川での防災に生かさなくては、と強く感じた」という。父の背を見て、2人の息子も神奈川県警の警察官に。「もちろん応援したいが、危険と隣り合わせの仕事なので心配ですね」と、この時ばかりは父親の顔が垣間見えた。