1950年代の北鎌倉、大船地区の風景を現在の姿とともに振り返る写真展が2月24日(日)まで、北鎌倉駅そばのギャラリーで開かれている。主催する北鎌倉つるし飾り委員会の担当者は「今昔写真が家族や友人との会話のきっかけになれば」と話す。
「―昭和の北鎌倉・大船のすがた―澄んだ空気が写ってる」と題された今回の写真展。JR北鎌倉駅周辺の商店や寺院など約100カ所で毎年この時期に行われている「北鎌倉つるし飾りのある街」(3月31日まで)の一環として開催されている。
会場には、北鎌倉駅ホームに横須賀線が滑り込む様子や円覚寺付近で電車が通り過ぎるのを待つ僧侶の姿、東慶寺境内、大船の常楽寺裏から写した田園風景、大船観音など、約70年前の北鎌倉、大船地区を写した写真約30点が展示されている。
撮影したのは、山ノ内で写真館を営んでいた故・皆吉邦雄さん。1916年に鎌倉で生まれ、戦前は立川航空隊の写真班に入隊。南方ビルマ方面の戦闘を経験し、復員後に写真館を開業した。
皆吉さんは09年に93歳で他界するまで、地元の風景を撮り続けており、写真館を閉館するにあたって約4000点、アルバム42冊分になる写真を遺族が鎌倉市に寄贈。現在は市立中央図書館に保管されている。
「後世に伝え続けたい」
今回の写真展で作品の選定や構成を担当したのは、北鎌倉つるし飾り委員会メンバーの島村國治さん(75・山ノ内在住)。大手印刷会社のスタジオカメラマンとして活躍した経験を持つ。
定年後、その専門知識を生かし、市立中央図書館にある膨大な資料整理や古い写真をデジタル化するなどのボランティア活動を実施している。8年前、地元町内会向けの歴史講座開催に向け資料集めをした際に皆吉さんの作品を知り「優しい眼差しで撮られている」という印象を持ったという。
ギャラリーでは、皆吉さんの作品と同じアングルから島村さんが撮影した現在の風景を説明文とともに並列展示。「地元の風景を後世に伝え続け、昔の思い出や郷土の歴史を知るきっかけになってもらえれば」と語る。
会場はJR北鎌倉駅から徒歩3分、東慶寺近くに位置するギャラリー鎌倉結(山ノ内1361)。入場無料。2月24日(日)までの金・土・日曜のみ開館。時間は午前10時から午後4時30分まで。
問い合わせは北鎌倉つるし飾り委員会事務局の斎藤さん【電話】0467・22・4693へ。
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