鎌倉のとっておき 〈第60回〉 大自然からの贈り物
明治時代、横須賀線の開通を機に保養地として大きく発展した鎌倉には、海水浴場だけでなく、私たちの健康づくりを支える大自然の素晴らしいフィールドも整っている。
はじめに「祇園山ハイキングコース」。小町大路から東勝寺跡を経て、市内東側の尾根を辿(たど)り大町の八雲神社に至る約1Km、30分ほどの道のりだ。なかでも八雲神社上から望む鎌倉の海は、晴れた日には特に眩(まばゆ)いばかりに光輝き美しい。
次に「葛原(くずはら)ヶ岡・大仏ハイキングコース」。北鎌倉の浄智寺脇から源氏山公園を経て、大仏切通に至る約3Km、1時間30分ほどのコース。源氏山公園までの間には、縁結びで有名な葛原岡神社や瓜ヶ谷(やつ)やぐら群などの旧跡もあり、また大仏切通までの間は、緑豊かで深山の雰囲気あふれる山道が続き、鎌倉の自然を満喫することができる。
そして「天園ハイキングコース」。天然の要害、鎌倉の北側の山々を瑞泉寺から建長寺へと尾根伝いに巡る約4Km、3時間ほどの道のり。瑞泉寺側から登ると、天台山(141m)を経て、鎌倉最高峰の大平山(159m)付近に出る。この辺(あた)りが天園だが、ここから安房(あわ)、上総(かずさ)、下総(しもうさ)、武蔵、相模、伊豆の6カ国を望めたことから六国峠ともいい、相模湾と丹沢山塊、そして富士山の素晴らしい景観を堪能できる。
古都鎌倉は、豊かな自然環境の中で、心と身体の健康づくりも楽しむことのできるまちである。
石塚裕之
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