稲村ガ崎のコミュニティスペース「IMAICHI」の発起人 河井 めぐみさん 極楽寺在住 35歳
地域の支え力に、挑戦
○…稲村ヶ崎駅前の「スーパー今市」の跡地に、コミュニティスペースを夫婦でオープンさせた。地域の人が集まり、世間話や習い事に利用できるスペースのほか、ボルダリングの壁も設置した。「入り口の壁に皆で絵を描こうという案も挙がっている。本当にたくさんの人に支えられてここまで来た」としみじみ。
○…「昔は魚屋さんやお団子屋さんもあったけど、だんだん減ってしまい、寂しく感じた。地域の顔みたいな存在の今市もと思うとじっとしていられなかった」。藤沢で生まれ育ったが、聖路加幼稚園に勤務して16年。自身も卒園児で、稲村ガ崎は約20年間、毎日のように通う大切な「地元」だ。「だからこそ、今市が担ってきた役割を引き継げる場を作りたいと思った」
○…29歳で結婚し、現在は5歳と3歳の姉弟の子育てと仕事の両立に励んでいる。障害の有無にかかわらず、子どもを受け入れる統合保育を続けている同園に通った経験から、特別支援学校の教諭の道を考えたことも。だが、「同じ幼稚園教諭だった母が『大変だ』と言いながらもずっと働いていたのを見ていたので、きっと苦労を超える魅力があるんだろうと。実際、子どもっておもしろい。働くうちにどんどんハマっていった」と充実した笑みを浮かべる。
○…発案から夫婦2人で準備を進めてきた。「私は突っ走るタイプ。夫が手綱を握って制してくれる」と笑う。改装費用の一部はインターネットを通じて資金を募るクラウドファンディングを活用したが、賛同者の多くは地域の人たちだった。「支援者の方に『恩返しはいいから、同じように他の人を助ける恩送りをしてあげて』と言われて、すごく救われた」とポツリ。背中を押してくれた人の思いも共に、地域のため、挑戦を続ける。