鎌倉市議会議長に就任した 久坂 くにえさん 大船在住 46歳
女性の目線で政治を身近に
○…女性としては2人目、史上最年少での鎌倉市議会議長就任となった。「議員一人ひとりが能力を発揮できる環境を作り、政策立案力を強化するとともに、市民の皆さんにとって議会がより身近な存在になるよう、情報を発信していきたい」と意気込みを語る。
○…愛知県出身。大学を卒業後は旅行会社で海外営業を担当し、世界中を飛び回った。結婚を機に鎌倉へ。衆議院議員のもとでボランティアをした経験から、市議選への立候補を薦められた。「自信はなかったけれど、いまだに女性の社会進出が難しい現状を知って、自分なりに変えられることがあるはずだと思った」。2005年に初当選し現在4期目。この間の印象的な出来事に昨年始まった「放課後かまくらっ子」の取り組みをあげる。「10年にわたって訴えてきた児童の安全・安心な居場所づくりが形になった。時間はかかっても、生活に密着した課題に向き合うことができるからこそ、やりがいも大きい」と充実した表情を見せる。
○…07年に長男を、14年に長女を出産。これを機に市議会の会議規則が見直され、自身も約3週間の「産休」をとった。現在は子育て中の議員のネットワークに参加し、全国の地方議会に産休制度の普及を呼びかける。「政治は決して特別な人のものではない。女性だけでなく若者や介護中の人など、様々な人が参加しやすい状況を整えたい」
○…趣味は美術館巡り。「時間がなくてクリムト展には行けませんでした」と残念そうに話す。家庭では子どもたちと賑やかな毎日を過ごす。「子育ては苦労もありますが、それ以上に学ぶことが多い。父や母が自分に注いでくれた愛情を改めて感じることもできました。今度はそれを子どもたちに返していきたい」と穏やかにほほ笑んだ。