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鎌倉のとっておき 〈第66回〉 源実朝のお月見クルーズ

掲載号:2019年8月30日号

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由比ガ浜に浮かぶ月光
由比ガ浜に浮かぶ月光

 吾妻鏡の中に、源実朝が船の上から月を眺めたことが記されています。

 五味文彦・本郷和人編の現代語訳吾妻鏡によると、一つは建保2(1214)年2月14日、昼間に杜戸で小笠懸を見て、「(前略)やがて日暮になって、明月の光を待ち、一隻の船で由比浜から帰られたという」とあります。実朝は海から月を眺めながら帰ったわけです。

 もう一つは元久元(1204)年8月、「十五日、乙巳。鶴岡(八幡宮)の放生会が行われた。(中略)夜になって実朝は、月が明るかったので由比浦に出かけられた。一・二艘の船を仕立てて、六・七人の楽人を召した。管弦ではそれぞれ優れた曲を演奏した」とあります。陰暦8月15日は、中秋の名月で、船の上で演奏を聴きながら名月を眺めたということです。

 写真は2011年9月11日の宵に、坂ノ下の海浜公園から由比ガ浜と月を撮影したものです。中秋の名月の前夜ですが、情景は当時とよく似ていると思います。月光が道になり、波に合わせてキラキラと揺らめいています。源実朝の「お月見クルーズ」の様子を想像できますでしょうか。

三品利郎
 

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