鎌倉芸術館の総括責任者を務める 齋藤 俊光さん 川崎市在住 59歳
多彩な経験、運営に生かす
○…1993年の開館以来、文化・芸術の発信拠点として市民に親しまれている鎌倉芸術館。その総括責任者に9月1日付で就任した。「鎌倉らしい、当館ならではのプログラムを提供するとともに、より多くの人が来たくなるよう知恵を絞りたい」と意気込みを語る。
○…大阪府出身。「色々やれそうな面白い会社だと思った」と大学卒業後、サントリーに入社した。その言葉通り、これまでの会社員人生は波乱万丈だ。国際物流を担当した後、新規事業開発室では20を超えるプロジェクトに携わり、山梨のワイン工場の再生を任された際には、隣接する空き地に広大な花畑を作って1日数千人が訪れる名所に育てた。傘下のファーストフードチェーンでの社長などを経て昨年4月、指定管理者として同館の運営を担うサントリーパブリシティサービス(SPS)へ。「おかげで多方面に人脈が広がり、財務諸表から設計図まで、見方がわかるようになった。これまでの経験を生かして、新たな館のあり方を模索していきたい」
○…中学ではバスケ部のキャプテンと生徒会長を務めるなど、根っからのリーダーだが決して「トップダウン型」ではない。「時間はかかっても自分で考え、動く力を身につけることが成長につながる」が人づくりの信念だ。
○…ドライブやスポーツなど趣味は多彩。とりわけ旅行が好きで、大学時代に一人旅をしたアメリカには何度も訪れている。「ラスベガスのショーは本当によく練られていて、何度見ても感激しますね」と笑顔を見せる。「改めて人は『パンだけでは生きられない』生き物だということを痛感している。だからこそ当館が鎌倉の皆さんに文化で潤いをもたらす存在でいたい」。多様な経験を武器に、芸術館の歴史に新たな1ページを加えていく。