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「水・福」連携で磯焼け対策 環境保全へ新団体設立

社会

掲載号:2019年11月1日号

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海岸で海藻を回収した福祉作業所の通所者ら
海岸で海藻を回収した福祉作業所の通所者ら

 地球温暖化による海水温の上昇などが原因で海藻が育たなくなり、魚や貝などの漁獲量が減少する「磯焼け」が、鎌倉の沿岸でも発生している。鎌倉漁業協同組合と市内3つの福祉事業所はこのほど、「鎌倉漁協と海のSDGsを実行する会」を結成。海藻を食い荒らすウニの駆除や、海岸に漂着した海藻を回収し、繁殖させるなどの環境保全活動に取り組んでいる。

 「磯焼け」は温暖化などでウニが大量発生し、海藻を食べてしまうことから、沿岸生物の生態系が狂い、魚や貝など漁獲量に悪影響が出るもの。近年、相模湾全体で問題となっている。

 漁協理事の中込和行さん(48)は「かつて鎌倉はアワビの水揚げ量が県内3位を誇ったが、今は当時の5分の1位しか取れない」と危機感を募らせる。

料理研究家が仲介

 こうした現状を知り、立ち上がったのが市内岡本で料理教室「鎌倉ダイニング」を主宰する矢野ふき子さん(50)だ。

 矢野さんはこれまで、鎌倉漁協と共同で「シラスの沖漬け」などを開発。昨年からは、鎌倉の海岸に流れ着くカジメやアラメといった海藻を豚の飼料として活用し、ブランド豚「鎌倉海藻ポーク」を育成するプロジェクトをスタートさせている。

 特にブランド豚の育成では、海藻の回収と洗浄、乾燥、粉砕、包装といった工程を「わんびぃさん」など市内3つの福祉作業所に依頼することで、障害者の収入につなげる取り組みを行っている。

 「磯焼け対策にも同様の仕組みが有効」と考えた矢野さんの仲介で、鎌倉漁協と福祉作業所の連携が決定。先月、「SDGsを実行する会」が発足した。水産庁の交付金も受けながら、活動を続ける予定で、同様の水産業者と福祉団体との「水・福」連携は県内では初めてという。

海藻繁殖目指す

 今後は、福祉作業所が回収した海藻のなかから、「母海藻」と呼ばれる胞子を持つものを鎌倉漁協が選定。ウニを駆除したうえで海に戻し、海藻の繁殖を目指す考えだ。

 10月28日には矢野さんや福祉事業所の利用者、漁協組合員ら約25人が由比ヶ浜海岸に集まり、30分ほどかけて海藻を回収。海藻に仕分けしたり、プラスチックごみや木、石などを分別した。母海藻が漂着するのは秋から冬に限られるため、年内にあと2回ほど回収予定。

 矢野さんは「地道な作業ですが、鎌倉に健全な海の姿を取り戻したい」と期待を込めた。

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