みらいふる鎌倉は8月2日、「フレイル予防講演会」をきらら鎌倉(生涯学習センターホール)で開催し、90人が参加しました。東京都健康長寿医療センターの研究部長を務める金憲経(キム・ホンギョン)氏が『コロナ禍におけるフレイル予防について』講演し、参加者たちは熱心に耳を傾けていました。
日本の現在の平均寿命は男性81歳、女性87歳。自立した生活ができる健康寿命は男性72歳、女性75歳。登壇した金氏は、「日本ではその健康寿命を、2040年までに3年以上延ばす目標を掲げている」と説明し、健康寿命延伸のために厚生労働省が「介護予防・フレイル対策」および「認知症の予防」について計画をまとめたことを参加者に伝えました。
フレイルって何?
フレイル(虚弱)とは、健康な状態から加齢・疾患等により要介護状態に至るまでの状態を言います。
「フレイルに適切に対応すれば健康状態に戻ることも可能であり、フレイル予防をしっかり行うことが健康寿命の延伸につながる。一方でフレイル状態をそのまま放置すれば、要介護状態に直行してしまう」(金氏)
フレイルは【1】身体的フレイル(体重減少・疲労・筋力低下など体力的な衰え)【2】心理的フレイル(鬱・健康の衰え)【3】認知的フレイル(記憶力低下・情報処理機能低下・適応力低下による衰え)【4】社会的フレイル(孤立・孤食・付き合い減少など社会参加低下による衰え)に分類されます。この中で健康寿命延伸に1番のポイントは社会的活動であり、「老人クラブ活動を活発に行うことは大変有効な対策のひとつ」と金氏は指摘しました。
対策の柱は?
フレイル対策の柱は、運動、栄養、社会活動、病気治療です。
運動は、筋力や筋量の維持と低下を防ぐので、継続的に行うことが重要です。運動不足は、歩行障害、転倒などによる骨折などで要介護状態に近づきます。
栄養は筋量維持のため、肉・魚などたんぱく質の摂取が重要です。社会活動は趣味、ボランティア活動、老人クラブ活動などで対人交流することが対策につながります。また、何らかの疾病がある場合には、適切な治療をすることでフレイル予防になります。
金氏は、「フレイルを予防・改善するためには、歩行機能の維持や筋力強化運動の実践、たんぱく質やアミノ酸などの適切な栄養補給、日頃からの認知機能維持・向上への努力が必要です」と締めくくりました。
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