トントントンという音が境内に響き渡る――。鶴岡八幡宮の正月前の風物詩となっている破魔矢の奉製の様子が11月30日、同宮の上宮神楽殿で公開された。
いくつも積み上げられた矢の束を背に4人の巫女らが並び、矢の先端に鏑を取り付け、軸に和紙を巻き、水鳥の羽の下に金銀の鈴と紅白の飾りを順に付けていった。
矢に鏑を付けるトントンという音を聞きつけ、神楽殿の前で足を止める参拝客もおり、この時だけしか見られない特別な光景を見守っていた。
破魔矢は、鶴岡八幡宮の創建時に神宝として奉納され、現在国宝となっている「黒漆矢」にちなんで作られているもの。
正月の授与品として初詣客に人気で、例年は節分後から12月中旬まで約1年かけて24万5千本を作っているが、今年も昨年同様に感染症の状況を見て、例年の約半数の12万5千本に減らし、製作を進めているという。
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