全国初となる日蓮宗の布教拠点「鎌倉日蓮堂」が、市内小町の辻説法跡の隣に完成した。鎌倉仏教のひとつ日蓮宗の宗祖である日蓮聖人像も設置された施設で、12月9日には落慶式が行われた。一般公開は1月以降。
布教拠点が完成した今年は、日蓮聖人の生誕800年にあたる。「日蓮聖人と時空を超えた心の対話ができる場所」をコンセプトに建設された六角堂には、日連聖人像が設置され、訪れた人が参拝でき、日蓮ゆかりの資料を並べる展示室も設けられた。
落慶式に集まった関係者約50人を前に、中川法政日蓮宗宗務総長は「生誕800年の年に布教拠点を実現できたのは、万感胸に迫る思い。法華経の発信拠点にしていきたい」と語った。また日蓮聖人像に視線を向け、「少しおやつれになっている気がした」と言い、「でもこれが真の姿かもしれない。かつてこの辻説法の地に立たれ、法華経を説いていたのですから」と思いを馳せた。
辻説法跡と合わせ観光スポットに
設計を椎名純建築事務所、施工を松井建設(株)が手掛けた布教拠点。辻説法跡の隣の土地を宗教法人日蓮宗が2009年に取得し、検討を重ねながら12年かけて完成に至った。千葉県で生まれ、自然災害や争乱の多い時代に社会全体の幸せを願った日蓮聖人が、若かりし頃に布教活動に努めたこの地。日蓮宗は、「辻説法跡と合わせて観光スポットのひとつになれば」と期待を込めた。
施設の一般公開開始は来年1月以降の予定だが、現在も午後9時まで六角堂がライトアップされ外から観覧することはできる。
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