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鎌倉版 公開:2022年1月1日 エリアトップへ

深沢地区、都市計画決定へ 新春市長インタビュー

社会

公開:2022年1月1日

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インタビューに応じる松尾崇市長
インタビューに応じる松尾崇市長

 2022年の年頭企画として、松尾崇市長にインタビューを行った。今年を、「市役所移転を含む深沢地区の開発を着実に前進させる年にしたい」と話した。また、防災、共生社会、子育て・教育を重点テーマに取り組む考えを述べた。

 --2022年、注力していく取り組みを教えて下さい。

 「まずは、市役所移転を含む深沢地区の開発を着実に前進させます。手続きを踏み、今年3月には都市計画決定となる予定です。この決定により準備を進め、2028(令和10)年度の新市役所開庁を目指します。市として重要なプロジェクトになるので、着実に前進させる年にしたい」

 --この村岡新駅、市役所移転を含む深沢地区開発の市の費用負担はいくらですか。

 「深沢地区の区画整備事業には総額で約205億円、そのほかに柏尾川に架かる橋の建設に15億円、新駅には150億円かかりますが、そのうち市の一般会計が負担するのは区画整備事業に36億円、橋の建設に7億円、新駅には4億円です。つまり、市の一般会計の負担は総額で47億円です。205億円かかるなど数字が一人歩きしていますが、繰り返しますが市の一般会計で負担するのは47億円です」

 --市役所移転に絡む経費はどうですか。

 「市役所や消防本部、体育館などの建設にはもちろん別途費用がかかります。それは深沢のまちづくりをやらなくても、公共施設再編の中で必ずやらなくてはいけないものです。今後、しっかり費用を抑えながら計画を立てていきたい。深沢のまちづくりは、3月に都市計画が決定すれば法的に網がかかるので、その中で市として、さまざまな計画を立てて取り組んでいきたいと考えています」

「今年は勝負の年に」経済V字回復、共生社会実現...

 --深沢地区開発の今後のスケジュールは。

 「今年3月に都市計画決定を受け、22年度中に事業計画の認可、そして24年度にインフラ工事に着手する予定です。そして、28年度に新市役所が開庁。32年度に新駅開業予定で、33年度でインフラ工事が完了します」

 --そのほか、今年の取り組みについて教えて下さい。

 「今年は3つのテーマを中心に取り組みたい。まずは『災害に強いまちづくり』。地震、津波、台風、集中豪雨など大規模災害を経験し、自然の前で、あまりに無力であることを改めて思い知らされました」

 --昨年も7月の集中豪雨で土砂災害もありました。

 「はい、ですから鎌倉市として自助・共助・公助、ハード・ソフトなど、できる限り手を尽くし、自然との共生といったまちづくりに注力し、災害などの脅威から市民のくらしを守ります。2つ目は『共生社会の構築』です。市民生活をより豊かなものにしていくため、年齢や経験にかかわらず、社会との関わりの中で何らかの障害に直面している人も、そうでない人も、生涯にわたって安心して暮らすことのできるまちづくりを実現したいと考えています」

 --もうひとつは。

 「『子育て・教育』といった人財育成についてです。全国的に人口減少、少子高齢化が進む中、鎌倉市の活力を牽引するまちづくり、そして子育て・教育といった人財育成に注力します。そして鎌倉で生まれ育った子どもたちが、将来、世界で活躍できるよう一層注力します」

大河ドラマ効果で観光客増を狙う

 --今年は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が放映されます。期待すること、今後の展開は。

 「3つの取り組みを進めています。1つ目は、コロナ禍で疲弊した市内経済のV字回復の実現です。毎年約2千万人であった入込観光客数が昨年は激減し、古くから続く名店の閉店も相次ぎました。感染症対策を呼び掛けながら多くの観光客の皆さまをお迎えすることで、市内活性化につなげたい」

 --経済への期待が大きいのですね。

 「もちろん、経済効果だけでなく、鎌倉時代の150年を源氏三代とともに支えた北条氏の重要性の発信です。鎌倉五山の創建をはじめ、鎌倉で北条氏の果たした役割の大きさは、とても大きなものでしたが、源頼朝や義経の知名度と比べると、北条義時はあまり知られた存在ではありません。鎌倉時代を振り返ると、頼朝の挙兵の時から北条氏が支え続け、源氏三代以降は執権として北条氏が中心となって歴史が築かれました。その基礎をしっかりと固めたのが二代執権の義時です。大河ドラマをきっかけに、これまで以上に、義時をはじめとする北条氏の重要性を皆様に知っていただけるよう発信したいと思っています」

 --新たな魅力の創造と発信ですね。もうひとつは何ですか。

 「観光客の分散観光を実現させるということです。オーバーツーリズムという長年の懸案事項の解消につながるよう、観光客の皆さまが足を運ばれることの少なかった二階堂や十二所、腰越などにあるさまざまな観光スポットにお出かけくださるよう、案内板を設置したり、観光マップを作成したりしました。ドラマ終了後も、市内各地を周遊してもらえるような新たな鎌倉観光のスタイルを創出したいと考えています。催し物として、鎌倉歴史文化交流館で「北条氏展」を開催する(1月4日〜)ほか、鎌倉国宝館も、北条氏ゆかりの資料が展示されます(1月4日〜)。また、大河ドラマ館も3月に開館予定です。ぜひ3つの施設にも多くの皆さまにご来館いただき、ドラマをご覧になる際の参考に、歴史への関心を深めていただければと思います」

 --昨年は市長選もありました。選挙公約を踏まえ、4年間の計画と決意を聞かせてください。

 「『世界に誇る持続可能なまちづくり』を一貫して取り組んできました。具体的には、『共生社会を共創する』という使命において市民の皆さんとの対話、"共に創る"という共創の考えを大切にしながらさまざまな課題をどうやって解決していくかに全力で取り組んでいきたい」

 --具体的には。

 「考えているのは、公約で掲げている『地域共生プラットフォーム』です。地域の中でつながりが希薄化していたり、福祉分野で人材が不足したりすることなどを市全体で補い合い、市民の皆さんにもできることをやってもらい、人とのつながりを感じられるまちづくりを目指したい」

 --今年の個人的な目標を教えてください。

 「趣味がジョギングなので、2月の湘南マラソンで、まずは完走することです」

 --最後に市民に向けメッセージを。

 「昨年はコロナ拡大防止にご理解ご協力をいただき感謝しています。今年も力を合わせて、人とのつながりを感じられる共生社会を目指しているので、変わらぬご協力をお願いしたいです」

深沢地区土地利用計画図(案)=鎌倉市役所提供※面積・道路幅員は確定したものではなく、今後の関係機関協議等により変更の可能性あり
深沢地区土地利用計画図(案)=鎌倉市役所提供※面積・道路幅員は確定したものではなく、今後の関係機関協議等により変更の可能性あり

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