60周年を迎えた鎌倉交響楽団のコンサートマスターを務める 五味 俊哉さん 岩瀬在住 53歳
一体感を追い求めて
○…発足60周年を迎える鎌倉交響楽団で、コンサートマスターを務める。オーケストラの演奏で、指揮者と演奏者をつなぎ、演奏の進行や調整を行う「コンサートマスター」。演奏中の息の合わせ方や微妙なニュアンスを決定し、演奏を整える役割を担う。「コンサートマスターは、優劣を競うものではなく、正解もない。一体感が出た時が一番のやりがい」と語る。
○…幼い時にバイオリンを習い始め、中学校ではクラシック音楽部に入部する。皆で音を合わせるアンサンブルや合奏に魅了され、大学では交響楽団に所属。社会人になり、休日の土日に活動する楽団を探していたところ、地元の鎌倉交響楽団と出合う。入団から30年が経過し、「当初は、自己顕示欲もあり、目立ちたい気持ちを抱いていた。今は、ピュアに音楽を楽しみ、心の中を表現することを大切にしている」と気持ちに変化が生じた。
○…「南極大陸以外は訪れたかな」と出張や旅行を通じて、海外へ頻繁に行った。パプアニューギニアでは、「バイオリンを初めて見る人がほとんどで、どんな楽器なのか興味を持たれた」と振り返る。出張の時にはバイオリンを持参し、ホテルのロビーやホームパーティーで演奏を披露し、仕事で接する人が演奏する意外性を見せてきた。
○…同楽団は、20代から80代の約120名が在籍し、「メンバーの仲が良く、パート間の壁がないところが強み」と語る。また、持続的な成長と挑戦をモットーに掲げ、「いろいろな曲に挑戦していきたい」と意気込み、次の節目を見据えている。一体感のある演奏をつくりだす立役者として、若手のパワーと、ベテランの経験を合わせたハーモニーを目指していく。