神奈川県はこのほど、4月1日現在の待機児童数を発表した。それによれば鎌倉市は93人で、昨年の同時期より16人の減少となったものの、県内では藤沢市に次ぐワースト2位となった。市は「2020年4月までの待機児童解消」を目標に保育施設の整備、定員の拡充を進めているが、高まるニーズに追いついていないのが現状だ。
厚生労働省はより正確な待機児童数を把握するため、昨年、定義を変更。「保護者が育児休業中や休職中でも、保育所に入ることができれば復職する意思がある場合」などが、新たに待機児童に加わった。
今回の待機児童数は、この「新基準」で発表されたもので、鎌倉市は109人(旧基準では47人)だった昨年度に比べて16人の減少となったものの、174人に上った藤沢市に次いで、県内で2番目に多い値となった。
20年4月の解消目指す
市が15年に策定した保育事業に関する5カ年計画「次世代育成きらきらプラン」では、「17年度中の待機児童解消」を目標に掲げていた。しかし昨年度に見直しを行い、現在は「20年4月」を目標に、保育施設の整備を進めている。
市内では今年4月、認可保育園「鎌倉おなり保育園」がオープンした。同園は昨年11月から御成町在宅福祉サービスセンター2階で運営されてきた小規模保育事業施設(定員19人)を、3階も保育室として使用できるように改装し、定員を50人に拡大したもの。
また、「おおぞら幼稚園」(大船5の10の35)が今年4月、保育園と幼稚園の機能を併せもつ認定こども園となり、定員30人の保育部分が新たに設けられた。
こうした整備により、市内の保育施設数は昨年4月時点に比べて2つ増えて35施設、総定員数は80人増の2451人に拡大した。
しかし女性の社会進出や共働き世帯の増加などにより、こうした対策が保育ニーズの拡大に追い付いていないのが現状だ。
市保育課は「保育園ができると、新たに需要が高まる現象が続いている。特に1〜2歳の待機児童が見込みより大幅に増えている」と話す。
今後の対策として市は19年4月、佐助にある横浜地方法務局鎌倉出張所跡地に保育施設の開設を予定しており「70人以上の定員を確保したい」とする。
また「七里が浜楓幼稚園」も19年4月に認定こども園になり、保育定員が75人となる予定のほか、20年4月には、浄明寺の県営住宅跡地に定員50人程度の保育所の整備を目指している。
市は「今後も待機児童ゼロの目標達成に向けて、様々な取り組みを行っていきたい」と話している。
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