7年前、若年性アルツハイマー病と診断された認知症当事者の男性がこのほど、母校である鎌倉学園を訪れて講演を行った。男性は「若い世代にも認知症に関する正しい知識を身に付けてもらい、困っている人を見かけたらぜひ手を差し伸べてほしい」と話す。
この男性は逗子市在住の近藤英男さん(64)。理化学製品の営業の仕事をしていた近藤さんは57歳の時、得意先から「最近、頼んだ商品と違うものが届く。体調が良くないのでは」と言われたことなどをきっかけに医師の診断を受けたところ、若年性アルツハイマー病だと分かった。現在はデイサービス施設に通いながら、認知症に関する講演活動などを行っている。
そんな近藤さんは7月13日、自らの母校でもある鎌倉学園を訪れ、同校インターアクト部の部員約20人を前に講演した。
この日はまず、市内今泉台で認知症の人を対象としたデイサービス施設を運営し、かまくら認知症ネットワークの代表を務める稲田秀樹さん(56)が、認知症の原因となる脳の病気やその仕組み、症状について説明し「認知症サポーター」の証であるオレンジリングを生徒に手渡した。
その後は近藤さんが登壇。病気が分かって営業の仕事から事務職へと配置転換され、「初めは落ち込んだ」もののすぐに病気を受け入れ立ち直ることを考えたこと、現在は時間や場所がわからない症状はあるものの、まわりの手を借りながら様々なチャレンジをしていることなどを話した。
そして今年1月に結成したという稲田さんとの「ヒデ2」というユニットで、自らギターを手に『亜麻色の髪の乙女』『戦争を知らない子供たち』など4曲を歌い、後輩たちから大きな拍手を浴びていた。
講演を聞いた同部部長の吉田大介さん(16)は「いつ身近な人が認知症になるか分からない。当事者との関わり方が分かり参考になった」とし、近藤さんは「認知症になってもできることは多く、決して怖いものではないと知ってもらえたら」と話していた。
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