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鎌倉版 公開:2019年2月15日 エリアトップへ

鎌倉のとっておき 〈第55回〉 食の定番、鎌倉から

公開:2019年2月15日

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後醍醐天皇の命で足利尊氏が建立した宝戒寺
後醍醐天皇の命で足利尊氏が建立した宝戒寺

 今や私たちの食生活に欠かせない味噌汁とおにぎり。朝一杯の味噌汁や具入りのおにぎりは、私たちの毎日に活力を与えてくれるが、その起源は中世鎌倉にあった。

 はじめに味噌汁。そもそも味噌(粒味噌)は、7世紀頃中国から伝わった発酵食品だが、平安時代の『延喜式(えんぎしき)』(法典)には、味噌が高級官僚の給料として支給されていたとも記されるなど、庶民の口には入らない贅沢品だった。

 中世鎌倉になると、粒味噌をすり鉢ですりつぶし、水に溶けやすくした漉(こ)し味噌が作られ、これを溶いた味噌汁が庶民にも広まっていった。

 戦国時代には、味噌で煮付けた干大根や芋がらを編んで腰に携帯し、陣中で切って湯に入れ味噌汁にする、今で言う「インスタント味噌汁」も食されていたという。

 一方のおにぎり。平安時代の貴族は、宴会の際、従者たちに蒸したもち米を丸く握り固めた「屯食(とんじき)」を振舞っていた。今で言う給食の一種でもある。

 中世鎌倉では承久の乱(北条義時と後鳥羽上皇の争い)の際、東国武士の兵糧として梅干入りのおにぎりが配られたことがきっかけで、梅干しとともに具入りのおにぎりが全国に広まったという。

 江戸時代になると、今では身近な海苔巻おにぎりも誕生し、旅人の携行食としても重宝されたと聞く。

 日本のソウルフード、味噌汁とおにぎり。古(いにしえ)の日本人の知恵と工夫が私たちの毎日の健康を支えてくれている。

石塚裕之
 

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