福祉アドバイザーとして活動する 小林 喜美子さん 茅ヶ崎市在住 61歳
「天職」の魅力 次世代に
○…5月12日は看護の日と定められ、近代看護の創始者ナイチンゲールの誕生日でもある。自身も40年間看護、介護の道を渡り歩いてきたエキスパートの一人。昨年には県看護賞も受賞。今年2月に介護老人保健施設湘南わかば苑(藤沢市)を辞してからは、その経験を後世に伝えようと福祉アドバイザーとして講習会などを行っている。
○…高校時代に従兄弟がスモン病になり、叔母が大変そうにしている様子を目の当たりにして、看護の道を歩みだした。患者が元気になって帰っていく姿に喜びを感じ、看護師という仕事を「天職」と思えるまでになった。だが、体力的にもハードな現場で夜勤もある。22歳で結婚し、25歳、29歳の時に子どもも出産した。「昔は産前産後6週間しか休まなかったんですよ」。仕事はもちろん、家事も育児も満遍なくこなした。だが、「全く苦痛に感じなかった。それが当たり前だと思ってたんですよ。家族をはじめ、周りの友人知人の協力があってこそですけどね」。その柔らかな表情からは過酷な仕事に携わってきたという事実は影をひそめる。あくまでも自然体を貫き通してきた。
○…現役時代は休みでも呼び出されることがあり、毎日仕事のことを忘れることはできなかった。「連続ドラマも観なかったですね」。その分、今はキルト作りの教室に通い、お菓子作りや旅行、ゴルフと人生を満喫している。「(現場を離れ)今改めて家事の大変さを実感してるんです」と笑う。
○…師長時代から人に教えることに楽しさを感じ、教え子が一人前に成長する姿を見ることが何よりも嬉しかった。それは福祉アドバイザーとなった今も変わらない。高齢化社会が進み、看護・介護不足が問題視される昨今、自身の役割は大きい。「今後この仕事はより必要になると思うんです。相手はモノではなく、人や命。長く続けてもらい、色々なことを現場で体験していってほしいですね」
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