ライダー先生が見た被災地【2】 寄稿 お米=子どもたちの気持ち
床上まで泥水に襲われたが家があるだけいい、と避難所から自分の家に戻られた方たちは言う。しかし、ほとんどの物は水につかり使えない。被災されたすべての人たちは物不足に陥った。ついに食べるものも底をつき、自分の家にいる人たちは、避難所へ物資をもらいに行く。しかし「避難されている方たちが優先なので、今、物資を分けることは出来ません」と断られるのだ。石巻の大街道地区で配給が始まったのは、なんと、震災後十日目だったと聞いた。送られたたくさんの義捐物資が、すべての被災者の方たちの元へ、等しく行き渡ることを願っているが、それは相当に難しいようだ。
西浜小学校の五年生(現六年生)がお米を作り、自分たちで食べようと残しておいたお米があった。しかし、大地震で被災された方たちのことを考え、それを食べずに被災地に送ろうということが決まったのは三月の二十一日。
五年生(現六年生)の気持ちとお米を持って、僕は被災地にやって来た。そして、被災地の方たちと話をし、僕は思ったのです。
あらゆるところに困っている人たちがいる。お米を目の前の困っている人たちに食べてもらおう。そうすれば、子どもたちの気持ちも分かってもらえるんじゃないか。お米を大街道のMさんに託すことにしました。
「このお米は子どもたちの気持ちです」 (完)
■寄稿 西岡正樹/1952年北九州生まれ。2011年3月まで茅ヶ崎市立西浜小学校教員。震災後4月20日〜26日まで教え子の暮らす宮城県石巻市へ。今年6月からバイクでユーラシア大陸横断の旅に出る。著書に「世界は僕の教室」(日本文学館)
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