緑綬褒章を受章した「愛のハガキグループ一葉会」の代表 齊藤 富美子(ふみこ)さん 新栄町在住 80歳
信念があるから続けられる
○…1976年に発足し、月に一度、県内の老人ホーム入居者を対象に葉書を出す活動を続けている。「一枚の葉書」にちなみ、会の名前は「一葉会」。入居者に負担がかからないよう”返事など見返りは期待しない”というのが会の原則だ。長年続けてきた奉仕活動が評価され、このほど、緑綬褒章を受章。「皆さんで積み重ねてきた活動をお国に認めて頂いたのだと思っています」と声も弾む。
○…現在、5代目の会長。会を立ち上げた初代会長の三橋フミ子さんに誘われ、,82年に入会した。「家にいてできるということと自分の意志で気軽に出来るというところに共感した」のが入会のきっかけ。会員は茅ヶ崎を中心に、横浜、藤沢、鎌倉などに住む主婦ら62人。葉書の投函先である老人ホームのうち、湘南エリアにある施設には年に2回ほど直接訪問。対面できるこの機会がお互いに何よりも楽しみとなっている。「懐かしい童謡を歌ったり、マジックをしたり…短い時間ですけど交流できる貴重な時間となっています」
○…東京都世田谷区の出身。高校卒業後、銀行勤めをし、結婚を機に茅ヶ崎へ。地域では手話サークルや手話通訳、そして2つのコーラスなどをこなす精力ぶり。「この歳になっても朝起きてやることがある。これは幸せなことだなと感じます。カレンダーの予定もいっぱいなんですよ」と柔和な表情を浮かべる。
○…葉書の受け手は県内18カ所の施設で、153人に上る。1人で2〜3人を受け持ち、庭の柿の実の話しや孫の話しなど、日常生活のごくありふれた情景を葉書にしたためる。入居者らは心のこもったこの葉書を心待ちにしている。決して派手ではないボランティアだが、心と心をつなぐ一枚の葉書の価値は計り知れない。「とても光栄。全員で喜びを分かち合いたい」と今回の受章を振り返り、感慨深げ。「これからも気負うことなく今まで通りやっていきたい」
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