「SHONAN逍遥 文豪たちの愛した湘南」を出版した 桝田 るみ子さん 小和田在住 53歳
魂込めた「文豪の青春」
○…明治以降、湘南の地を機縁に創作活動を行った作家らの足跡を現地に訪ねた著書「SHONAN逍遥(しょうよう)文豪たちの愛した湘南」を出版した。1994年から約6年間、湘南よみうりに連載したものに加筆修正を加え、夏目漱石や芥川龍之介など54人を紹介。作家たちの「青春」に興味を持ち、その苦悩や生活感ある姿を追い求め、そこに「ロマン」を見出し表現した。「初出版でとても嬉しい。人生の宝物です」と喜びもひとしおだ。
○…出版のきっかけは3年程前に乳がんを患い「生きているうちに、自分の魂のこもったものを形にして残したい」と自分の人生を見つめ直したこと。手術後、に「過去の連載を1冊にまとめたい」と考えたが一歩が踏み出せず。その中で夫の「やれるときにやったほうが良いよ」という後押しに勇気をもらった。現在も家族に支えられ、完治へ向けて治療を続けている。
○…北九州市出身。幼い頃から自宅で偉人の伝記を読むことが好きだった。中学ではソフトボールに打ち込むこともあったが、一番得意なことは「書くこと」。論文コンテストで入賞も果たしたが「このスキルは就職には生かせない」と考え大学卒業後はOLに。結婚を機に鎌倉へ移り住み「文豪の足跡」が色濃く残るその地に魅せられた。その後マンションを購入し茅ヶ崎へ。「都会と自然が共存していて気に入りました。良いものを生み出せる環境だと感じた」。娘が2人生まれ、主婦として子育てに奔走する中、求人を見つけライターに。子連れで取材をすることも多かったそう。
○…出版後、周りの人から「もっと読みたい」という反響を受け「もう一冊執筆したい」という思いが湧いてきた。先日初孫も誕生し「生命の誕生が自分の活力にもなりますね」と笑顔。「一生涯、知りたいことを追求していきたい。そして多くの人に伝えたい」。その瞳の奥には飽くなき探求心、情熱が灯り続けている。
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