3/19〜24まで茅ヶ崎市美術館で初の個展「刻の想い」を開く 伊藤 三枝子さん 円蔵出身 63歳
絵画は人生日記
○…「一つひとつ作品を楽しみながら描いてます」。15年分の油彩と水彩作品を茅ヶ崎市美術館で展示、初めて個展を開く。「全ての作品に思い入れがあり、人生日記のようです。1つでも心に残れば嬉しいです」
○…両親と姉に囲まれた家庭で育ち、鶴嶺小・中学校から鎌倉高校へ進学。美術部に入り、そこで初めて油絵具を手にした。「実は手塚治虫の漫画が大好きで、そこからの出発だったんですよ」と頬を赤らめた。今展示の51作品には、それを連想させるものがある。ほっこりと愛くるしい恋人達の足下にそびえるのは、その表情と裏腹な崖っ淵の風景だったり、いくつかのの作品にちらほら登場する妖怪たちが一同に会した結婚式など、思わず笑みがこぼれてしまう。
○…高校卒業後、経理の仕事に就き職場結婚し、二男に恵まれた。子育て奮闘中は筆をとる時間もなかったが、絵画好きなことを打ち明けていたママ友達から、障害者と一緒に絵を描くボランティア団体「星の子」を紹介された。そこから情熱が甦り「上野の森アートスクール」に入学。洋画を基礎から約4年間に渡って学び、目標の公募展の選考を突破、更に入賞という栄光を手にした。その後は絵画団体「檸檬(れもん)の会」に所属し、フランスやモロッコでグループ出展に参加した。
○…個展開催に踏み切ったのは、中学時代からの知人に地元茅ヶ崎の美術館を紹介されたことがきっかけ。結婚と同時に都内に移住したが、現在も頻繁に円蔵の実家へ帰るそうで「電車で来ると藤沢から空気が違う。変わったけれど駅周辺が好き」と話す。「2人の息子は独立し、孫もいます。夫も定年退職したのでやりたいことに打ち込める時間ができました」。絵画以外では皇居マラソンに夢中で、「走った後に仲間と飲むビールはたまらないです」ととびきりの笑顔。旦那さんも親父バンドでセカンドライフを満喫中。明るくアクティブな姿に元気をもらった。
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