下寺尾遺跡に関心高まる フォーラムに約250人
茅ヶ崎市北部で発掘された「下寺尾官衙(かんが)遺跡群」について知るフォーラムが4月13日、茅ヶ崎市勤労市民会館で行われた。
下寺尾官衙遺跡群とは、茅ヶ崎北陵高校の校庭から発掘された7世紀後半から8世紀前半にかけて営まれた高座郡の役所(高座郡衙)や、その南側にあったとされる大きな寺(七堂伽藍)などの遺跡群のこと。県が北陵高校を移設せず遺跡を地下に保存し木造の新校舎を建てる方針を明らかにしたことを受け、茅ヶ崎市議会が政府や県へ「再度移転の検討を行うこと」などを盛り込んだ意見書を提出するなど、その動向に注目が集まっていた。
フォーラム会場には、定員の120人をはるかに超える約250人が来場し、関心の高さが伺えた。当日は、東海大学の近藤英夫教授と田尾誠敏講師、大東文化大学の宮瀧交二准教授が登壇し、下寺尾官衙遺跡群の概要や、評価、保存の意義などについて語った。
「遺跡を教育の場に」
北陵高校の卒業生でもある宮瀧准教授は、下寺尾遺跡群について「郡衙は日本古代の地方政治の中枢となる場所。発掘調査によって発見されることが珍しく、郡衙跡とそれに伴う施設、寺院跡が一体となって発見された事例は他に例を見ません」と語り、地下に保存することも一策だが国指定史跡として整備し、社会教育施設として活用していくことが「はるかに望ましい」と話した。
参加者からは、「遺跡があることは知っていたが、貴重な遺跡であることは初めて知った。学校と遺跡の共存が可能なものなのか、十分に議論してほしい」などの声が上がった。
主催の岩田實代表は「多くの人に来場していただき、関心の高さに驚いた。まずは、皆さんに遺跡について知ってもらうことが大切だと感じた。価値を知った上で、残すべきかどうか市民一人ひとりが意見を持って声を上げてほしい」と話した。次回は、夏ごろの開催を目途に、更に詳しいフォーラムを開催していきたいとしている。
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