タウンニュース茅ヶ崎版では、年頭の企画として服部信明茅ヶ崎市長にインタビューを行い、2015年のまちづくりに関する重点施策や茅ヶ崎が見据える方向性、新年の抱負などについて聞いた。
(聞き手/本紙・茅ヶ崎編集室 中島正裕)
―あけましておめでとうございます。まずは昨年を振り返って頂けますか?
「新年あけましておめでとうございます。まず昨年の茅ヶ崎市を振り返りますと、人と人の繋がりが基となり、まちが新たな発展を遂げた一年であったと感じています。
市民の皆様をはじめ国内外の多くの関係者の皆様のお力添えにより、ハワイ州ホノルル市・郡との姉妹都市協定を締結することができました。また地域では各自治会やまちぢから協議会での活動も皆様の協力により活発に行われて、まちが発展できた年であったと思います」
―新市庁舎の建設も順調ですね。
「新庁舎建設は2013年12月に建設工事に着手し、2016年1月の供用開始に向けて順調に進んでいます。現在は建設工事を進めるとともに分かりやすさの改善、待ち時間の短縮等市民満足度の高い受付窓口を実現させるため『連携型総合窓口』の導入準備を進めています。
また市役所、市民文化会館、総合体育館の駐車場を相互に利用することで、限られた駐車場の効率的な利用を目指しています。市役所機能の向上はもちろん、市民の皆様によりきめ細やかなサービスを提供するため、運用面等についても更なる検討を進めていきます」
―さがみ縦貫道路については、どのようにとらえていらっしゃいますか?
「さがみ縦貫道路は圏央道の一部区間であり、本市から東京都と神奈川県の都県境までの道路です。今春全線開通すれば周辺道路の混雑緩和や生活道路の安全確保、災害時における緊急輸送道路の役割などが期待されるとともに、更なるまちの発展の契機になると考えています。
都市間競争が激化する中で本市が持続的に発展していくためには、交流・定住人口の増加を図る取り組み等により、地域経済を活性化し、市民生活の満足度を高め、市内外の皆様の心を惹きつける『住んでよし、訪れてよし』のまちづくりを目指していくことが重要です」
―具体的な施策はどのようにお考えですか?
「来訪者に対し本市の新鮮な農畜水産物等の物産や休憩できる場を提供したり、市内観光情報を発信したりして、地域振興を図ることを目的とした『道の駅』の整備に向け、柳島向河原地区を候補地として準備を進めています。また寒川南ICに近い萩園の上ノ前地区においては、さがみ縦貫道路の全線開通に伴う立地ポテンシャルを最大限にいかすため、産業系市街地整備事業を推進します。更に沿線の本市を含む湘南・県央地域の10市2町は、さがみロボット産業特区に指定されており、この制度を活用した実証実験やプロジェクトも進められています」
―姉妹都市ホノルルとの交流も期待されますね。
「これまで多くの皆様のご協力により姉妹都市協定を締結することができました。今後は文化、スポーツ、教育、経済など多分野で交流事業を進め、次代を担う子どもたちの成長につながるような取り組みを実施していきたいと考えています」
―柳島スポーツ公園についてもお聞かせ下さい。
「(仮称)柳島スポーツ公園整備事業については、本市として初めてとなる民間の活力を生かしたPFI事業として実施するものです。
公園内には総合競技場、テニスコート、ジョギングコース等の施設に加え、民間事業者の創意工夫を生かしたクラブハウスを設置し、その中ではレストラン、スタジオ、コンディショニングセンター、サイクルステーションといった施設を拠点に『健康』と『食』に関連した事業を展開する予定です。2018年3月の開園を目指し、地域スポーツコミュニティの核となる施設として、多くの市民の皆様に親しまれるよう整備を進めます」
地域力高める施設、施策を
―浜見平地区の整備が進んでいますね。
「浜見平地区は、UR都市機構による団地建替え事業と合わせて本市南西部の生活・防災拠点としての”まちづくり”を進めています。4月には、茅ヶ崎市南西部複合施設『ハマミーナ』がオープンします。この施設は市役所出張所、保育園、地域育児センター、地域包括支援センター、ボランティアセンター、図書室及び、まなびプラザ(小体育館、調理室、音楽室、個別スペース)から成り、これまでの本市にはない複合施設として誕生します。また隣接する民間棟にはコンビニエンスストア、郵便局、診療所、調剤薬局等も入り、官民連携した市民サービスの提供が実現します。
さらにハマミーナの西側に計画されている『しろやま公園』の一部もオープンします。この公園は憩いの場としてだけでなく防災倉庫、飲料水兼用貯水槽(100t)、井戸水を利用する災害用トイレ、かまどベンチなどの防災機能が設置された新たな施設として誕生します。様々な世代が暮らし、交流し、支え合いの中で育む持続可能なコミュニティを目指して整備される浜見平地区にご期待下さい」
―次代を担う子どもたちに関する取り組みは?
「準備を進めて参りました『子ども・子育て支援新制度』が、いよいよ4月からスタートする予定です。 この制度は子育てをしやすい社会にしていくために、子どもや子育て家庭を支援する新しい支え合いの仕組みを作り上げていこうとするものです。多様な保育ニーズに対応するため、保育園が短時間労働に対応した仕組みになることや、小規模保育事業など、新たな保育のかたちが市の認可事業となる予定で、認定こども園の整備とともに新たな手法の施設整備により、待機児童解消に取り組んでいきます。地域の子育て支援の拠点としては、新たに香川駅前に子育て支援センターを10月に開設する予定で準備を進めています」
―高齢者が住み慣れた地で安心して暮らせるまちづくりも期待されます。
「介護予防やケアシステムに加えて高齢者の働き方や社会参加、生活環境のあり方等について総合的な視点で検討する必要があります。そこで本市では、有識者の方々のご協力を頂きながら総合的な検討を進めてきました。現在検討の結果を基に本市としての考え方をまとめた『豊かな長寿社会に向けたまちづくり基本方針』の策定を進めています。基本方針では元気で、自分らしく、生涯暮らせるまちを実現するための取り組みを進めることです。今後は、本年度中に基本方針を策定し、来年度から順次事業を実施していきたいと考えています。
また、昨年10月には地域包括支援センターと地域福祉総合相談室を新たに3カ所開設し、自治会連合会区域の全12地区への設置が完了しましたので、より一層関係機関と連携し、地域の高齢者に寄り添った支援を行っていきます。本年4月の介護保険法の改正に対し、多様な主体による介護予防・生活支援サービスなどを提供できるよう、体制整備の取り組みを今後も進め、在宅医療と介護の連携や他職種による協力体制の構築に向け、住まい、医療、介護、介護予防、生活支援が一体的かつ包括的に提供される『地域包括ケアシステム』の実現を目指します」
―防災対策についてはいかがでしょうか?
「昨年は地域防災力の強化に積極的に取り組みました。具体的には、自主防災組織活動の実効性を高めるための体制づくりの支援や、地域の初期消火力向上のための移動式ホース格納箱の配備を進めました。
また防災関係機関との連携強化や、市民の皆様の防災意識の向上を目的に開催した消防・防災フェスティバルには、多くの皆様にご来場頂くことができました。災害時の情報伝達体制の強化策として防災ラジオを約8200世帯の皆様に配付するとともに、災害時の燃料確保対策としては自家用給油取扱所を環境事業センターに設置して運用を開始します。来るべき災害の発生に備え、地域の自主防災組織をはじめとした防災関係機関の皆様との連携を図り、地域防災力の強化に取り組むとともに、災害応急対策の実施体制の充実に努めていきます」
―新年にあたり読者へメッセージをお願いします。
「この他にも2015年は人と人、人とまちを繋ぐ施設も多く開業します。2月には茅ヶ崎の文化を後世へ継承する『茅ヶ崎ゆかりの人物館』、4月には松浪地区に子どもの家や地域包括支援センター等の機能を兼ね備えた市内で11番目の地域集会施設である松浪コミュニティセンターが開館します。そして将来の都市像とその実現のために、昨年改定した茅ヶ崎市総合計画基本構想に基づき、2016年度を初年度とする第3次実施計画の策定作業も進めて参ります。本年も皆様のお力添えを頂きますようお願い致します」
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