茅ヶ崎市海岸青少年会館(森明彦館長・中海岸3の3の10)が9月30日に閉館した。建物の老朽化や現在の建築基準法では耐震性が不足していることが理由。11月から解体工事が行われ、耐震性や利便性を高めた福祉会館との複合施設が2019年の開館を目途に再整備される。
新設される「(仮称)茅ヶ崎公園体験学習施設」は隣接地の現テニスコート場と入れ替える形で建設することになっており、耐震基準だけでなく、バリアフリー化や各利用スペース、管理運営体制などの見直しが図られる。また新施設完成までは南側に設置した仮設棟で利用者を受け入れる。
45年の歴史
1970年1月20日に開館した同館は、青少年らの学習室利用のほか、書道、茶道、コーラスなどの多目的スペースとして活用されてきた。20年以上前までは食堂施設もあり、地域交流の場としても親しまれた。
最後の館長を務めた森館長は「受験生やお子さんと立ち寄られるお母様方、様々な方々と接した記憶が蘇ります。わざわざ合格発表の報告に来てくれた子もいましたよ。45年の思い出が詰まった場所なので少し寂しい気持ちもあります」と話していた。
解体前に感謝の壁画
閉館前の9月下旬に地域の子どもたちにより、同館の階段などに壁画が描かれた。
これは子どもたちの遊び場として同館を利用してきた市民団体「ちがぼー」が、最後に5年間の利用の感謝を込め、4日間かけて行ったもの。1階から4階までを「海」「森・街」「空」のテーマに分け、参加した子どもたちや保護者らが木々や魚、鳥、星などを思い思いに描いた。一面が壁画で埋め尽くされた後の壁には「ありがとう」「お世話になりました」などの感謝のメッセージも見られた。製作された壁画は閉館後、同館ホームページで公開する。
壁画製作に市内旭が丘から参加した藤倉さん親子。息子の壮太くんは「流れ星や恐竜を描いた。たくさん描けて楽しかった」と話し、同館をよく利用したという母親の三果さんは「ママ友たちとよく子どもを連れて遊びに来ていました。松ぼっくりを拾ったり、軽食を取りながらおしゃべりしたり。新しくなると聞いたけれど、この空間がなくなるのはちょっと残念」と老朽化した館を見上げ話した。
また、最終日の9月30日には閉館時間の午後9時いっぱいまで卓球台の開放が行われ、参加者らが最後の利用を楽しんだ。
|
<PR>
茅ヶ崎版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|