「振り込め詐欺撲滅ソング」を作曲したミュージシャン 矢口 一朗さん 高田在住 52歳
「正義の歌」で弱きを助ける
○…「僕らが作った曲が少しでも市内の振り込め詐欺減少につながれば」。茅ヶ崎市で増加する振り込め詐欺被害に音楽を通じて警鐘を鳴らそうと、このほど「正義のアロハ」など3曲の詐欺撲滅ソングを制作した。市や警察などと協力しながら地域への浸透を目指して奔走する。
○…音楽と出会ったのは中学2年の時。生前バンドを組んでいた父の葬儀に叔母がギターを持ってきたことがきっかけとなった。初めてギターに触れ「おもしろい」と感じ、それからギター漬けの日々。「独学です。毎日8時間は弾いていましたね」と当時を振り返り笑う。高校進学後も好きな曲をコピーしたり、仲間とバンドを組んで文化祭で演奏したり、自分の中の音楽熱は高まる一方だった。
○…音楽の道に進もうと決めたのは高校2年の頃。忘れもしない出来事があった。「父の死後、兄弟4人を女手ひとつで育ててくれた母に、わがままにも高いギターをねだり、その時不意に『父親がいたらな』とこぼしてしまった」。すると母は「これで買ってきなさい」と封筒を手渡してきた。昼はプレス工場で働き、夜は居酒屋で皿洗いのバイトをしていた母。そんな母が初めてもらったというボーナスだった。そのお金でギターを手にした時「プロになって恩返しをしたい」という気持ちが芽生えた。
○…18歳でプロダクションに入り、22歳から「夏の代名詞」とも言われたグループ「TUBE」のサポートメンバーとして全国を飛び回った。以来30年以上ミュージシャンとして活動し、現在は市内のイベント会社(株)オフィス ワンの代表を務めるほか、市内や横浜、大船などで自身のバンド活動にも精を出す。今回制作した詐欺撲滅ソングでは正義の意味を込めた「Jas-TI's(ジャスティス)」というユニットを結成した。「フラダンスの振付などもあるので、みんなが口ずさみ踊ってくれるような曲になれば」と自身の曲に願いを託す。
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