創団40周年を迎え、9月13日(火)から記念写真展を行う「写団えぼし」の会長を務める 亀谷 太一さん 東海岸南在住 73歳
命ある限り全力で楽しむ
○…「記念展示を見て頂き『写真って楽しい』と思ってもらえたら」―。「写団えぼし」に10年前に入団し、会長を務めて5年になる。写真との出会いは湘南高3年の時。CMに魅せられ「ペトリカメラ」を購入し、フイルムカメラにのめり込んだ。上智大在学中には夜毎自室の窓に隙間なく毛布を敷き詰め、暗室を作り一晩中籠るほどに。「現像で使う液体の酢酸の臭いが立ち込める中、バットに写真を浸して、色味や明るさにこだわって仕上げた」。気付くと朝を迎えていることも多く「隙間から射す朝日で目覚め、その一筋の光で現像がダメになることもあってね」と目を細める。
○…戦時中の中国で生まれ、母に連れられ親類のある茅ヶ崎へ。高校時代はブラスバンド部で指揮を務め、大学では理工学部で電気を専攻し、管弦楽部にも所属した。音楽と電気―学生時代に得たものを生かし「CBS・ソニーレコード」に入社。「プロデューサーとしてレコーディングに関わり、寝る間も惜しんで働いた。世界初のCD発売にも携わった」と振り返るその目はどこか誇らしげだ。
○…写真のほか自然の中での散歩、合唱など多趣味だが、それには理由がある。49歳でガンを患い「2年間で4回手術し、1年後には生きていないかもと想像した」。その後職場復帰し、管理職となっていたことから自分の時間も増え「命ある限りやりたいことを全て思いっ切り楽しもう」と誓った。その頃にはデジタルカメラが出始め、自身で写真加工ができる点に「昔の現像方法や、音楽制作に似ている」と再び夢中になった。
○…現在は40年連れ添う妻と毎年ウィーンでオペラ鑑賞するなど充実した日々を過ごす。2人の息子と3人の孫に恵まれ「この間も孫たちが遊びに来て1日中大騒ぎ。エネルギーが凄くてついていけなかった」と苦笑い。今後は「古稀で個展を開いたので、喜寿を迎える時にまた個展を開きたい」と力強く宣言した。
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