コミュニティセンター湘南で日本文学講座の講師を務めて12年目になる 井上 寿芳さん 柳島在住 85歳
日本文学「好きなんだ」
○…万葉集、源氏物語、奥の細道…。日本文学の奥深さ、面白さを伝えようと月1回、コミュニティセンター湘南で講座を開講し続けて12年目になる。1つのテーマを2年かけてじっくりと解説する講座にファンは多く、10年以上「皆勤賞」の受講者も。長続きの理由を尋ねると一言「好きなんだ」。満面の笑顔で答えた。
○…柳島出身。現在の鶴嶺小から湘南中、湘南高校へ。高校ではバレーボール部に所属し、182cmのスラリとした長身を生かしてチームの国体やインターハイ出場、全国準優勝に貢献した。同時に古典を愛する文学青年でもあり、進学先の早稲田大学では日本文学を専攻。卒業後は出版社に勤めたものの外回りと雑用に追われる日々に。そんな時に大学の恩師から「こっちのほうが向いている」と勧められたのが、その後30年以上奉職することになる教師の道だった。「結局、向いていたのかな」。茅ケ崎高校や西浜高校などで古文・現代文の教鞭を執った。
○…定年後、地域活動に携わるなかで、公民館から日本文学講座の講師を依頼されたことが第2の人生の岐路になった。「年金ももらっているし、自分にできることがあれば」と引き受けたところその講座が好評に。再び声がかかり、定期的に開講することになった。受講者に配る資料はすべて手作り、講義ではユーモアを交えつつ2時間ほとんど休みなく話し続けるが「どちらもまったく苦ではない」という。「自由にやらせてもらっているし、みんな真剣に話を聞いてくれる。こういうのは学者の先生が滔々(とうとう)とやっても面白くない。『いいかげん』にやらないと」と茶目っ気たっぷりに持論を語った。
○…奥さんと2人暮らし。2人の娘と5人の孫に恵まれ、最近では孫が資料作りを手伝ってくれることも。実は柔道の経験も50年以上あり、6段の腕前だ。文武を極めた好々爺による、楽しくも深長な日本文学講座が今年も開講する。
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