第6回茅ヶ崎映画祭の関連イベントとして、6月24日(土)・25日(日)にコワーキングスペースチガラボ(新栄町13の48)で初開催される「映画ポスター原画展」。展示作品を手掛けた故・松本政明氏の娘、松本あけみさん(61)=高田在住=に話を聞いた。
政明氏は1929年熊本県生まれ。戦争で美大進学を挫かれ、戦後は美術講師に師事して日本画を学んだ。現在の松竹(株)勤務を経て独立し、98年に亡くなるまで茅ヶ崎に居を構えて「ジョーズ」「E.T.」「スター・ウォーズ」など数多くの映画ポスターを手掛けた。原画展では政明氏が手掛けたポスターの原画をはじめ、制作に使用したポジフィルム、携わった映画のノベルティなど貴重な物品が並ぶ。「原画が残っていることはまれ。ぜひ多くの方に見てもらい、茅ヶ崎にこんな人がいたのだと知ってもらえれば」とあけみさん。
父の背中
「父は寡黙でまじめ、自分に厳しい人。決まった時間にきっちりと仕事を終えて、家で夕食をとる人だった」。仕事が集中した時にはホテルに泊まりこみ、土日も自宅で仕事をして依頼をこなした。また家族を大切にする人で、家族の前ではよく他愛もない冗談を口にしたという。手先が器用で三味線や陶芸など何でも軽くやってのけた。
「父は日本画出身で、あまり映画が好きではなかった。たまたまこの仕事と出会い、他にない才能と技術があったので続けていたのだと思う」。飛行機嫌いのためアカデミー賞列席の誘いも毎回断っていた。政明氏は末期がんで入院した茅ヶ崎市立病院のベッドで、亡くなるまで次の作品のデザインを考えていたという。まさに映画全盛期を支えた人物だった。
原画公開へ
あけみさんはギャラリーワークショップを主宰するライフスタイリスト。母の所有になった原画類を当初は近しい人だけに公開しようと考えていたが「父の残した作品を世の中の人に見てもらいたい」と一般公開を決めた。「イベントを通じて茅ヶ崎が文化・芸能のまちと再認知され、活性化に繋がれば。またデザイナー志望の若者がかつての生の仕事に触れることで、自分にしかできないものを作れるアーティストを目指してほしい」と思いを語る。
原画展は午前10時から午後4時(25日は7時)まで。トークイベントも予定されている。問い合わせは【電話】050・5319・2906へ。
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