書籍『美しい日本のくせ字』に掲載された、書店のイベントチラシを書いた 佐藤 弘美さん 中島在住 52歳
「やっぱり本屋は素敵」
○…特徴ある丸文字が「手書き文字コレクター」の琴線に触れた。その字のように角がなく柔らかい印象。「著者の井原さんから掲載の連絡をいただき驚いた。自分の字や絵が紹介されるのは恥ずかしいですが、井原さんの研究成果の一助となれたのなら嬉しいです」と、絵本の読み語りのように一つひとつ丁寧に言葉を選び紡ぐように話す。
○…茅ヶ崎生まれ。絵を描くことや本が好きだった少女の愛読書は、学研の動物図鑑。飽くことなく眺めては、黙々と動物を模写していた。お気に入りは「ヤギのスプリングボックの角」といささかマニアック。本の中に広がる知らない世界に夢中になり、いつしか将来の夢は「本屋さん」。卒業後は横浜の大手書店に勤めたが腰を痛め、広告代理店へ転職。やはり本が好きという気持ちを抑えられず、1995年に地元の長谷川書店に再就職した。
○…丸文字は、漫画研究会に所属していた高校生の頃には「完成」されていた。成田美名子などの少女漫画や当時流行の『キャプテン翼』、『ムーミン』で知られるトーベ・ヤンソンの絵に影響を受け、友人と一緒に同人誌を作ったことも。書店員としてもポップ作りなどでその腕を発揮し、前任者の異動を機に「絵本とおはなし会」のチラシを任された。第52回から数え、最新の第227回までその数175枚。「パソコンは苦手なので」とイラストレーター御用達のステッドラーピグメントライナーのペンを使用し、手書きを貫く。
○…父と弟の3人暮らし。休みの日も読書にふける。最近では母が遺してくれた時代小説にはまっている。「今はネットでも本が買えるようになりましたが、やっぱり本屋は素敵。店頭では意外な本との出会いがあります。特に親子さんには、大好きになる本を見つけてほしい。絵本とおはなし会は、出会いのきっかきになる素敵なイベント。チラシでそのお手伝いが出来たらいいですね」
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