浜竹在住の書家、大八木雅山さん(68)が、第32回21世紀国際書展で最高位のグランプリに選ばれた。
この公募展は、産経新聞社、21世紀国際書会が主催。書の芸術を通じて、国際交流と新たな書家育成を目指す目的で開催されている。大八木さんが入賞したグランプリを含む特別大賞は、一般の応募部門とは別に、入賞歴など、書歴や実績を持つ審査会員を対象とする部門。
入賞作は「二×八(にはち)」と呼ばれる、60・6cm×242・4cmサイズ。漢詩選集『唐詩選』から、戦場で刀などの武器を手に、敵に立ち向かう勇敢な様子を描いた一節を選び取った。「母方の親類が刀工『正宗』の末裔ということもあって、自分の刀でもある筆を手にすると、奮い立つ気持ちが沸き起こる。私にとって書は自分との戦い。流れる血がそうさせたのか、共感するところが多く、引き込まれるようにして選んだ」と振り返る。
「さらに精進」
大八木さんは茅ヶ崎市生まれの茅ヶ崎市育ち。30代半ば、工作機械メーカーに勤めていた時に大病を患い、それまで趣味にしていたスポーツにドクターストップがかかった。「動から静に移行しようと思った時に、祖父が武者絵を得意とする和凧の絵師だったことを思い出した。自分も一緒に筆で字を書くのが好きでしたから」と整えられた口髭をなでながら書を始めたきっかけを振り返る。
その後、勤めていた会社に書の先生がいたことが縁となり、現在も師事する書家の齋藤香坡氏と巡り合った。「最初から今まで、師匠の字がずっと好き。近付きたいけど近付けない」と師への思いを語る。
今回の受賞に際し「まさかという気持ち。家族も喜んでくれた。書道は家族や周りの支えがないと続けられない。ありがたいこと」と笑顔を浮かべる。
大八木さんは現在、師と同じ國藝書道院に所属する書家として、弟子を持ち、自宅などで書道を指導している。書の秘訣は「全体、一文字一文字の形と線。とにかく漢字を理解して書くこと。私自身もまだ修行中の身ですが」とにっこり。「書の道には終わりはなく、次へ、もっと先へ精進し続けないといけない」と、さらなる高みを見据える。
大八木さんの作品を含む入賞作など約500点が、横浜市民ギャラリー(横浜市西区宮崎町26の1)で7月10日(月)まで展示中。入場無料。午前10時〜午後6時。問い合わせは産経新聞社横浜総局同展事務局【電話】045・681・2900へ。
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