浜降祭に参加した神輿は39基。その中には専門の神輿職人ではなく、奉納されている神社の氏子が製作した神輿が存在する。今年の浜降祭会場で、その3基が並んだ。
新町・厳島神社の神輿は1919年、大工の真壁秀次郎氏が建具屋の吉野嘉一氏の協力で製作。鳥井戸・御霊神社の神輿は1982年、大工の森井正雄氏の作。1975年に香川・諏訪神社の神輿を製作した亀井茂さん(66)=寒川町大曲(当時は香川在住)・亀井工務店=に話を聞いた。
亀井さんは生粋の神輿好き。若い頃は神輿を担ぐために市外の祭りにも出かけていくほどだった。しかし当時、香川の諏訪神社には神輿が無く、亀井さんのような若者たちは浜降祭で他の神輿を担がせてもらうなど肩身の狭い思いをしていたという。「ならば自分で作ってしまえ」と思い立った亀井さんだったが、神輿作りについてはまったくの素人。そのため、どこかで祭りがあるたびに担ぎに出かけて神輿の構造や意匠を記憶に収めた。はじめに全長30cmほどの模型を試作してから本格的に神輿作りに着手。熱中するあまり徹夜することもあり「仕事中に眠そうにしていて、材料を分けてもらっていた当時の親方によく怒られたよ」と頭をかく。完成した神輿は諏訪神社に奉納し、76年の浜降祭で初担ぎを行った。
以来40年以上、亀井さんの神輿は毎年、浜降祭と諏訪神社の例大祭で活躍している。メンテナンスを除き、これまでに修復を必要としたことはないという。「壊れたらまた作ってやると言っているけれど、なかなか壊れないな」と豪快に笑う亀井さん。自身が神輿を担ぐことはなくなったが、今は浜降祭の会場で一杯やりながら、若者たちが担ぐ勇壮な神輿の姿を楽しそうに眺めている。
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