茅ヶ崎市では、市内に生息する動植物を調査し保全活動などに生かす「自然環境評価調査」を実施している。調査員は地域ボランティアで構成されているが、こうした例は全国でも珍しいという。9月に入り、2015年から3年越しに行われた調査がまとめ段階に移っている。
2005年から07年にかけて第1回目の調査が行われ、今回で3回目となる。市と調査専門企業が事務局となり、現地調査は約70人の調査員が「植物」「ほ乳類」「鳥類」「両生・は虫類」「昆虫類」「魚類」のチームに分かれて行う。
調査では主に「指標種」と呼ばれる”茅ヶ崎市らしい”自然に生育・生息する代表種の生息状態などを記録する。現在の指標種は約120種。調査結果をもとに茅ヶ崎市版レッドリストの改定なども行われる。
現在は、今年度内の報告書の完成を目指し、各調査結果を取りまとめている段階だ。
学生調査員も活躍
自治体主導の自然環境評価調査事業自体が珍しく、その場合の調査員は専門業者や役所が務めることが多いという。地域ボランティアが調査員を務める例は「全国でもまれでは」と市景観みどり課は話す。
「ありがたいことに地域に自然環境に関する専門的知識を持つ有識者の方が多く、だからこそ調査が続けられてきている」と同課は説明する。また「この活動に限らず、自然環境保全に対する関心や意識が高い方が多い」という。
初回から参加している「ベテラン調査員」も多い中、今回の調査から新たに、環境に関心を持つ「学生調査員」も誕生した。
宇田川寧々さん(有馬高校1年)と櫂(しゅう)さん(梅田中1年)は姉弟で参加。「鳥の調査では目で見るだけでなく、落ちている羽など客観的な証拠と照合するなど、学ぶことばかり。皆さん優しく教えて下さり、楽しい」と寧々さん。
慶應義塾大学に通う湯浅拓輝さんは、所属する学内ビオトーププロジェクトで関わった同事業の調査員に声をかけられて参加。「生き物を見つける力に驚かされる。自分も視野を広くしたい」と活動を振り返った。
同課は「地域のみどり、自然環境を守りたいという思いは同じ。事業を通じ、幅広い年代が交流することで、地域環境の保全がより一層進展すれば」と期待を寄せた。
茅ヶ崎版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
21日午後から交通規制4月19日 |
|
<PR>