茅ヶ崎版 掲載号:2018年1月12日号
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茅ヶ崎市美術館で2月4日(日)まで展覧会「TUMBLING DICE」を開催している 岡 耕介さん 茅ヶ崎在住 69歳

人生は双六のように

 ○…初の大規模展覧会の名前は、愛してやまないロックバンド『ザ・ローリング・ストーンズ』の楽曲名が由来。「サイコロのように自由気ままに、双六のように出たとこ勝負。一つ進んで二つ戻って一回休む、自分の人生そのもの」と穏やかに笑う。作風同様、捉えどころがないようで、時に激しく、いつの間にか脳裏の奥に焼き付いてしまう、周囲を引き付けてやまない魅力を持つ。

 ○…横浜市鶴見区生まれ。10歳の時に漠然と「絵描き」への夢を抱いた少年は、高校に進み、所属していたラグビー部顧問の美術科教諭の風景画を描く背中に、ふと自分の将来を重ねた。「どんな仕事をしていても、とにかく自分の好きな絵を描き続けられれば」。大学紛争最中の多摩美術大学で学んだ後、生花店などで働く傍ら、作家の佐藤愛子氏の文庫版表紙などの仕事を手掛けた。「ガルシア・ロルカの詩を原語で読みたくて」と単身スペインへ渡ったことも。「子育てに向いている」と越した茅ヶ崎では、師と仰ぐ洋画家鶴田猛氏に出会った。茅ヶ崎美術家協会の会員となり、精力的に活動を続けるも「東日本大震災の際は絵描きの無力さを感じ一時筆を止めたこともあった」とぽつり。

 ○…妻とは西欧の美術館巡りを通じて知り合った。画家という不安定な職へ周囲の風当りも強かった中、常に味方となり、昨年春にバセドウ病を患った際も側で支え続け、今回の展覧会を誰より喜んでくれたのも妻だった。4人の子ども達も巣立ち、今は夫婦2人と猫2匹。「やっとゆっくり一緒に過ごせる」と微笑む。

 ○…「サイコロの目も人の縁も、見えない何かに導かれている。気ままであっても、感謝の気持ちは忘れないようにしたい」と髭を一撫で。画家アンリ・マティスの言葉を引用し「この展覧会が、来館者の方にとって『ひと時の疲れを癒す心地よい肘掛椅子のようなもの』であらんことを」と歌うように呼びかけた。

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