このほど、市内下寺尾にある「七堂伽藍跡碑(しちどうがらんあとひ)」が建碑60周年を迎えたことを祝う式典が開かれた。
「七堂伽藍跡」とは古代の寺院跡。今から60年前、遺跡の存在が明らかになる以前から、この地では畑を耕す際に土器などが出土していたことや昔の言い伝えから「大寺院が存在していたはず」と信じられていた。住民や研究者ら有志142人は「遺跡の調査と保存」を願い1957年12月に「七堂伽藍跡碑」を建立。碑文には「前略 今回我等が建碑の趣意は是等の貴重な資料の保存と今後研究家の訪れるのを待つ為に他ならない。後略」と記されている。
その後、考古学的調査が進み、七堂伽藍跡が2015年3月に下寺尾官衙遺跡群の一部として国史跡指定されたことで、先人たちの願いは結実した。
式典には、建立時の式典出席者やその親族など関係者約200人が出席。碑の前で記念撮影も行われた。市社会教育課は「式典は様々な方々の参画があり挙行できた。市民に愛される史跡の保存活用に取り組んでいく」とコメントを寄せ、建碑60周年記念事業実行委員会の矢野福徳(よしのり)会長(78)=芹沢在住=は「先人の思いを復元・保存して未来に繋げていきたい」と話した。
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