「第3回S―1沖縄しまくとぅば漫談大会」で3位に入賞した 矢島 敏さん 松が丘在住 47歳
「唄わぬより唄う人生を」
○…「人生は自分で面白くするもの。師匠の受け売りだけどね」。自宅で三線の指導と修理を行う「矢島三線工房」を営みながら、三線や島太鼓の奏者として活動している。今年1月、三線の師匠のすすめで初挑戦した、沖縄の島々の方言を使う漫談大会で3位入賞を果たした。「本番の3日前に何とか台本が完成するなど苦労の連続だったが、沖縄の人々の温かさに助けられた。沖縄文化の魅力を茅ヶ崎にも広めていきたい」
○…群馬県出身。高校では複数の部活やバンドを掛け持った青春時代を送り、卒業後は将来を模索し上京するも三浪。その背中を押したのは祖父の「好きなことを学べ」という言葉だった。東京造形大学で絵画を学ぶ中で、友人の芝居の楽曲制作を行ううちに音楽が一番肌に合うことに気づき、フリーの音楽家として活動を開始。しかし、パソコンに向き合って楽曲制作・提供を行う日々に「これが本当にやりたいことなのか」とスランプに陥った。
○…転機は27歳の時。妻と結婚前に旅行に訪れた沖縄の離島で、夜明け前の浜辺でふと聴こえてきた三線の音に「こんな豊かな音があるんだ」と胸を打ち抜かれた。そのまま三線を買いに走り、その後も度々沖縄を訪れて現在の師匠とも出会った。2002年に茅ヶ崎に移り住み、現在は妻と子どもの5人家族。学生時代のボランティア活動で出会った妻はよき理解者だ。子煩悩で、娘のフラやバレエの発表会は「這ってでも見に行く」と微笑む。
○…休日は登山を楽しむアウトドア派。昨年12月には念願の富士山登頂を果たし、漫談大会を前に「漫談くらいやってやる」と気持ちを奮い立たせた。師範を務める「茅ヶ崎三線クラブ」では、約60人の生徒を指導し「観客も一緒に唄い音楽作りに参加する沖縄の温かな空気が茅ヶ崎でも作れたら」。師匠の言葉「唄わぬ人生より唄う人生の方が面白いのだ」を胸に、今日も茅ヶ崎を盛り上げる。
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