「神奈川なでしこブランド」に認定された(有)ティーケイトインターナショナルの代表取締役を務める 金井 加代子さん 柳島海岸在住 59歳
「茅ヶ崎の海を後世へ」
○…「美しい海があってこそできるウエットスーツの製造・販売の仕事。後世まで自然を残すために、事業を通じて何ができるか」。産業廃棄物になっていた端材の活用を考える中、社員の子育て中の友人が、サメをモチーフにした可愛らしいキーケースを製作。「小学生になるお子さんのために作った、自宅の鍵を首から下げて持ち歩くキーケース。母親の愛情が詰まっていた」。アイデアに感化され、その女性をデザイナーとして社員に登用。女性社員でプロジェクトチームを立ち上げ商品化を図り、なでしこブランドに認定された。
○…箱根町宮城野で旅館を切り盛りする祖母と両親のもとで育つ。祖母が銀行や取引先で契約する場に小学生ながら同席し「祖母は多くを語らず、なぜ私を連れて行ったのか当時は分からなかった。経営者はどうあるべきか背中で示していたのかな」と振り返る。勉学に対しても厳しく「少しでも成績が下がると『傾向と対策』を明確に示さないといけなくて」と苦笑する。
○…高校卒業後、貿易英語を学ぶ専門学校へ進学。箱根から横浜まで通学し「山育ちだからか湘南の海に憧れて、いつか働きたいと思った」。念願叶って茅ヶ崎のウエットスーツメーカーで勤務し夫と出会い23歳の時に結婚。夫が独立を目指す際、幼い頃から学んだ企業経営を思い出し「職人気質の夫を支え、経営の役割を担おう」。夫と二人三脚で会社を起こした。
○…東日本大震災後、マリンレジャーを楽しむ人が減りウエットスーツの需要も低下。2012年に「会社をたたもうと本気で考えた」というが、息子と2人の娘から「両親の働く姿が好きだからやめないで」と言われ思いとどまった。そして再起を賭け、ウエットスーツ素材の防災ベストや端材を使った商品開発を開始。「活躍する女性の姿が、その子どもたちの成長にもつながる。もっとあたたかな地域、人を育てていきたい」と笑顔を見せた。
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2022年5月13日号
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