陸上3000m障害で日本高校新記録を樹立した美住町在住の吉村玲美さん(白鵬女子高3年)に1月18日、茅ヶ崎市特別表彰が贈られた。
市民や茅ヶ崎市ゆかりの個人・団体を対象に、文化や技術、スポーツなどで顕著な功績をあげた人に贈られる「茅ヶ崎市特別表彰」。
吉村さんは、昨年の6月22日から24日に山口県で開催された「第102回日本陸上競技選手権大会」で、障害物を越えながら走る3000m障害に出場。決勝のレースで、従来の日本高校記録を1秒44更新する10分7秒48でゴールし、2年ぶりに記録を塗り替えた。
18日に市役所で開かれた表彰式では、佐藤光市長から表彰状と記念の盾が手渡された。吉村さんは「記録を出した時は実感がわかなかったけれど、高校生で1番の記録なので改めてすごいことだと思った。この茅ヶ崎から名前を出せてうれしい」と話した。
地元の高校生の快挙に喜びを見せた佐藤市長は、「茅ヶ崎で陸上をやっている子どもたちの励みにもなる。これから、もっともっと陸上を盛り上げていってほしい」と期待を寄せた。
「世界で戦える選手に」陸上・吉村玲美さん
あまり笑わない子だった。父・文克さん(63)いわく、七五三の記念撮影もなかなかにこりとせず、「うっすら笑ったかな」という写真が残っている。ただ、自転車に初めて乗れたときは違った。「満面の笑みを浮かべてはしゃいでいた」と文克さんの記憶に鮮明に刻まれている。当の本人も「まわりの子たちより早く乗れたから」。負けず嫌いな性格が、陸上界でも才能を開花させている。
高校陸上の女子長距離において、県内屈指の強豪・白鵬女子のエースであり、全国トップクラスの実力を持つ吉村玲美さん(18)。中学までのバスケから陸上に転向し、目覚ましい活躍を見せてきた吉村さんだが、スタートは苦しんだ。
高校入学前の合宿で足を故障。治っては痛めてを繰り返し、本格的に走り出したのは秋から。そして迎えた2年春、初めて障害のレースに出場した。ハードル型のものと、飛び越えた地点に水濠のある障害物を通過する同種目。学校には用具がなく、「1回もやったことがなかった」という水濠で、派手に転んだ。競技経験がないため、片足で着地するところを両足で着地。勢い余って水の中にダイビングして、全身ずぶ濡れでのゴールだった。
未来変えた高校新
それから1年。1500mや3000mでインターハイ、全国高校駅伝も経験し、全国のエースたちとしのぎを削ってきた吉村さんは、昨年6月に再び挑んだ3000m障害で高校新記録を打ち立てた。「トップに立ったことはうれしいけれど、記録はまだまだ」。社会人も含めた日本記録まではまだ30秒ほどあり、満足はしていない。
しかし、この高校記録によって未来は変わった。高校で陸上を辞めて、トレーナーの道を目指すつもりだった。でも、「走っているうちに負けたくないと思うようになった。人生の中で、自分が決めたことを変えたのは今回が初めて」。卒業後は、強豪校の大東文化大学でさらなる飛躍を狙う。
得意な料理はシフォンケーキ、チームメイトには大会前に手編みのミサンガをプレゼントし、先輩の送別会にはギターを演奏して見せた。趣味を楽しむ一方、陸上では「世界で戦える選手になりたい」。明るい笑顔が広がった。
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