阪神大震災から1月17日で24年―。関西地方に甚大な被害をもたらした災害がきっかけとなり、苦しむ人を支援するボランティアたちがいる。
「ピア・神奈川」。被害者支援自助グループには現在9人のメンバーが在籍し、中には事故や事件の被害者遺族も含まれる。茅ヶ崎や横浜を拠点に活動し、犯罪などで苦しむ被害者やその家族に対して、同じ経験を持つメンバーが相談にのったり、生活を支援したりしている。
会の発起人は、市内東海岸南在住の渡辺治重(はるえ)さん(73)。24年前、阪神大震災直後に現地のボランティアに参加しようとしていた大学生の長男を、不慮の事故によって亡くした。被災地へ向かうために購入したバイクで走行中、無謀運転していた車にはねられた。「食事ものどを通らず、毎日毎日泣いているばかりだった」という渡辺さんをさらに苦しめたのは、被害者たちが頼れる環境が整っていないこの国の現実だった。
市役所に相談窓口
見舞金という支援はあった。しかし、渡辺さんが求めていたものは違う。「どこに、誰に相談していいのかまったくわからなかった」。さらにこう続ける。「加害者には弁護士がつくけれど、大きな事故でなければ国や市の支援もなかった」と渡辺さんは振り返る。
自身の経験から2003年に設立したのがピア・神奈川。09年からは茅ヶ崎市役所で、相談窓口を開設している。毎月第1・3水曜に相談を受け付け、渡辺さんも同席する。
2カ月前から相談に通う30代女性は「いろいろ聞いてもらえて楽になった。同じ境遇の人がどのように乗り越えたのかを知れてよかった」と、時折笑みものぞかせた。話に耳を傾けた渡辺さんは「守秘義務を守りつつ、相談者が前に進めるよう見守ってあげたい」と語る。ピア・神奈川への問い合わせは【携帯電話】070・5463・4944へ。
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