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茅ヶ崎市美術館 外国人作家初の展示会 画家 リチャード・ゴーマン

文化

掲載号:2019年4月19日号

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ゴーマンさん(左)と月本さん
ゴーマンさん(左)と月本さん

 茅ヶ崎市美術館で6月2日(日)まで開催中の『リチャード・ゴーマン 形情』。ゴーマンさん(73)はアイルランドを代表するアーティストで、1998年の開館以来初となる外国人作家の展示となった。作品はすべて新作、しかも「茅ヶ崎市美術館のために」制作されたもの。背景には、ゴーマンさんと同館学芸員の月本寿彦さん(46)との間に芽生えた友情があった。

 ゴーマンさんはダブリン生まれ。名門・トリニティカレッジで経営学を学び、自動車業界に就職したが、幼い頃の夢を捨てきれず、31歳で美術学校に入学。画家としてデビューを果たした。

 楕円形や正方形の枠に張った麻布のキャンバスに、単色で塗り分けた幾何学形を並べる現在の作風は、90年代半ば頃に生まれた。

 ゴーマンさんは自身の作品のテーマについて、尊敬する作家・谷崎潤一郎の『蓼食う虫』の一節から「花やかな渋み」と呼び、その意図を「時間と人間の弱さに影響されやすい構造的な幾何形体の原則」と話す。

 月本さんは「日本で出会った和紙を使用した作品は、ファッションブランド・エルメスのショーウィンドウに使用されるなど、彼の代表作の一つ。図形の組み合わせでありつつも、温かみや親しみを感じさせるのが魅力」と説明する。

企画の裏に国超えた友情

 2人は2014年に共通の知人を介して対面した。谷崎潤一郎の『痴人の愛』にも登場する“湘南”を語り合ったり、茅ヶ崎ゆかりの映画監督・小津安二郎の作品などの話題によって心を通わせた。

 翌年、茅ヶ崎美術館を初めて訪れたゴーマンさんは、同館の「灰色の壁」を気に入り、その様子を見た月本さんが「この美術館に合う作品を作ってください」と依頼。ゴーマンさんが快諾し、4年間の創作期間を経て展示が実現した。

 元々日本好きのゴーマンさんが茅ヶ崎での打ち合わせの際に喜んだものは、「やきとり」「日本酒」そして「桜」。創作拠点の一つ、ダブリンのアトリエの名前「SHIOSAI」になぞらえ、「茅ヶ崎の潮騒とのハーモニーを楽しんでほしい」と2人は話した。

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