茅ヶ崎市立図書館の館長に就任した 佐藤 勇さん 東海岸北在勤 53歳
「施設は人」を胸に
○…4月1日付で茅ヶ崎市立図書館長に就任。貸出図書の充実はもちろん、利用者のニーズに合った講座の開講を標榜する。就任時に思い出したのは神原聡前教育長の「施設は人なり」という言葉。「”あなたがいたからまた来たよ”と言ってもらえる図書館に」と日々邁進する。
○…横浜出身。3歳で茅ヶ崎に移り住む。動植物の百科事典を愛読する大人しい少年だった。西浜中2年で始めた陸上の短距離走では数々の大会で入賞。ジュニアオリンピックでは優勝も果たした。顧問の「スポーツマンたる者、常に謙虚に」との教えが今も耳に残る。大学卒業後は「恩師たちから受けた教えを還元したい」と教職に就いた。
○…初の赴任先である北海道で体調を崩し、1年で茅ヶ崎へ戻った。一時民間企業に籍を置いたが、「今度は地元のために働こう」と市役所へ入庁。教育委員会や職員課などを経て、2011年には行政支援で被災した石巻市を訪問。避難を促して逃げ遅れてしまった女性職員の話を聞いたとき、「同じように動けるか」と公務員としての職務について自問した。市民税課での勤務時、税申告の相談に乗った市民から「あなたがいたから助かった」と感謝された言葉が支えとなった。その後、南湖公民館の館長などを経て、図書館に赴任した。
○…妻と2人の息子の4人家族。趣味の旅行や登山は、三浦綾子著『塩狩峠』に感銘を受けた高校時代がきっかけ。「本で読んだ情景を実際に目で見たくて」と青春18きっぷやオートバイを使って知床半島から奄美大島まで日本各地に足を運んだ。最近は仕事が忙しくツーリングの機会も減ってしまったが、勤務先へは愛車のハーレーで通う。「利用者にも本で広がる豊かな世界を楽しんでほしい」と目を細めた。
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