4月から茅ヶ崎市保健所の所長を務める 中沢 明紀さん 茅ヶ崎在勤 65歳
豊富な経験、広い視野で
○…所長就任の初日から、その力量が試される局面に立たされた。待ち受けていたのは、管内4例目の新型コロナウイルス感染者への緊急対応。「一挙に緊張が走りました。患者さんの入院調整や行動履歴の聴取、接触者の洗い出しなど夜遅くまで対応に追われました」と苦笑い。その後も相次いだ感染者への対応や連日100件を超える電話相談など、パニック状態の保健所を指揮。加えて市立病院や三師会、急性期病院との対策会議など、怒濤の数日間を過ごした。直前まで所長を務めていた金沢区の県立循環器呼吸器病センターでは豪華客船の感染者受け入れ経験もあり、頼もしい存在だったのは言うまでもない。今回、念願叶っての保健所長就任だが「もう少しのんびりしたかったな」と笑う。
○…生まれも育ちも横浜。高校時代、無医地区で活動した医師の本に感銘をうけ、横浜市立大学医学部へ。「赤十字奉仕団」に所属し、夏休みは先輩医師らと山梨や福島の無医地区を訪れ、検診や家庭訪問を行った。「寄生虫の感染が多いことに驚かされた。病気を治すだけでなく、公衆衛生を支えることも医師の大切な務めだと学んだ」
○…身体全体や生活を多角的に診る「総合医」を目指す一方、小児科医として小さな生命と向き合ってきた。新生児科では4つ子や上半身がつながった結合双生児などの難症例の経験も。「深夜に、患者を乗せた救急車がうちに立ち寄って病院へ向かうことも日常でした」と当時を振り返る。
○…「コロナの影響でまだ茅ヶ崎らしさを体感できていないのが残念ですが、アロハシャツは用意しました。もっと茅ヶ崎について勉強し、市民にとって身近で信頼できる保健所を目指したい」。豊富な経験と広い視野で困難を乗り切る。
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