近年、神奈川の高校女子バスケットボール界を牽引してきたアレセイア湘南高だが、チームを全国大会常連に押し上げた張一(チャンイル)ヘッドコーチが退任。今年4月からは小室敦美コーチ(24)を迎えて新体制となった。しかし、新型コロナによる影響で活動は休止。1カ月前からようやくスタートを切った。
2015年の創部から3年目で全国デビュー、県内公式戦では17年春から19年秋まで11大会連続で無敗を続けたアレセイア。昨年末の全国大会を最後に、創部からチームを指揮してきた張コーチは東京の高校へと移った。後任としてコーチに就いたのが、体育の教鞭もとる小室教諭だ。中学、高校時代には国内の世代トップの選手たちが集まる合宿にも参加した経験を持ち、つい2年前まで大学で選手として活躍していた。
この2年間は地元・栃木で教員としてバスケも教えていたが、全国大会に出場する高校を指導するのは今回が初めて。「プレッシャーは?」と問えば、「ないです」と笑って即答する小室コーチのもと、新生アレセイアの雰囲気は明るい。
キャプテンの冨田真桜さん(3年)は言う。「いい感じです。バスケのことだけでなく、学校生活やプライベートな内容まで気兼ねなく話せる」。練習風景も変わった。新指揮官はコートの中に入って指導にあたり、自らパスを出すことも。当の小室コーチは「遠くから大声出すと疲れちゃうじゃないですか」と笑い飛ばすが、選手からは「近い場所からすぐにアドバイスをもらえるのがいい」。
走るバスケに、考えるバスケも
少しずつ新たな風が吹き出したアレセイアだが、冨田主将は「まだまだ」と語る。チームはコロナ禍で3月からの3カ月間、活動を休止。6月下旬から練習頻度や時間、場所の制約を受けながら練習を再開した。春の関東大会や夏のインターハイも中止となり、現在は秋に予定されている県大会に向けて準備を進めている。
次の大会は、チームにとって重要なリベンジの場でもある。3年近くにわたり神奈川で勝ち続けてきた同校だが、直近の1月に行われた新人戦では決勝で東海大相模高に敗れ、連勝ストップ。その試合の映像を休校中も含めて5回以上は見返したという冨田主将は、「2位のままでは終われない。次が最後の県大会になるので、絶対に優勝したい」と気合十分だ。
部活が再開し、チーム合流から1カ月が経った小室コーチ。これまでアレセイアを支えてきた「走るバスケ」に、「考えるバスケ」を新たに注入中。「いろんなことに挑戦しながら、選手たちと一緒にチームを作っていきたい」
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