幸町でユニークなこども食堂「喫茶 零(ゼロ)」を企画・運営する 桑原 将志さん 湘南台在住 21歳
「0」からでも成せる
○…不登校や母子家庭で育った経験を通じて、食・経験・居場所を提供するユニークなこども食堂を手掛ける。「自分の経験や考えを発信することで同じ境遇だったり、今悩んでいる人の助けになりたい。昔の僕も今の僕がいてくれたら、救われていたと思うから」
○…福岡出身。小学1年の時に両親が離婚し、母子寮へ。いじめや惨めな思いもあったが、隠れて泣くような負けん気の強い子どもだった。高校2年の時、母親の再婚を機に不登校に。週7日、生活費や学費を稼ぎながら、通信制で学業に励んだ。教師を志し、文教大学へ進学するも、日本の教育に疑問を抱き、中退。「暗記の詰め込み授業だったり、個性をつぶして、みんな同じ方向に向かせる教育では本当に教えたいことを教えられないと思った」
○…フリースクールのような場を作ろうと一念発起。しかし、活動拠点や資金、社会の理不尽なルールという壁にぶつかった。「子どもたちとつながりたいのにつながれない。だったら、いる所に行けばいい」。茅ヶ崎の海でおにぎりを無料で配り、対話し続けた。「世の中には理解してくれる人や面白いこと、選択肢が山程あるって伝えたい」と目を輝かせる。
○…1月、ヒッチハイクとカンパだけで沖縄から「0円旅」を成し遂げた。幼少期から常に目前にあったのは「自由と金」「生と死」という命題だ。「与えられたものが無かったから、0から何かを生むしかないし、生きるか死ぬかだから、自分で考えて動くしかない。どんな状況でも自分はやれることを確かめたかったのかも」と笑う。「経験や出会いという貯金を貯めて、次は子どもたちに体験することの喜びを伝えていければ」。自身の夢を叶えながら、子どもらに寄り添う。
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