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茅ヶ崎版 公開:2021年1月29日 エリアトップへ

【Web限定記事】茅ヶ崎出身・新倉礼偉さん サッカー人生を振り返る 「プロ目指し」矢板中央高校から鹿屋体育大学へ

スポーツ

公開:2021年1月29日

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新倉礼偉さん(本人提供)
新倉礼偉さん(本人提供)

 高校サッカーの頂点を決める「高校サッカー選手権大会」といえば、サッカー部員にとって目標とする憧れの舞台。コロナ禍で開催された第99回大会は、1月11日に山梨学院高校が優勝し幕を閉じた。熱気覚めやらぬ決勝戦後に発表された優秀選手39人の中に、茅ヶ崎出身の選手の名前があった。矢板中央高校の副キャプテン・新倉礼偉さん(18)だ。日本高校サッカー選抜にも選出され、2月、3月に控える試合に向けて練習に励む合間、これまでのサッカー人生を少し振り返ってもらった。

ボールと遊び、とにかく楽しんだ

 サッカーを始めたのは3歳の頃。茅ヶ崎を拠点に活動するシュートJrユースFCのスクールでボールを追いかけた。おぼろげな記憶ながらも「とにかく楽しかった」と言う。小学生になると、地元の茅ヶ崎小和田FCへ。平日1回の練習と週末の試合だけでは物足りず、フットサルのスクールに週3日通い、技術を磨いた。他にも、3歳上の兄や兄の友人で2022シーズンから湘南ベルマーレへの加入が内定している根本凌選手(茅ヶ崎出身・鹿屋体育大学)らと「ボールと遊び、親しむように」練習をしていた。夢はもちろん「プロサッカー選手」

 小学6年生では、湘南ベルマーレから声がかかりスクールに通うように。夏にはジュニアユースクラブへの入団に向けて、いくつかのクラブチームのセレクションに挑んだ。その中で選んだのが、古巣のシュートJrユースFCだった。

 足元の技術向上はもちろん、ボールへの関わり方やポジションの取り方、何よりも「自分たちで考えプレーする力を学んだ」3年間だった。「もっともっと上手くなりたい」。相当な量の走り込みも行った。入団時、165cmだった身長は3年間で20cmも伸び、卒団する頃には185cmに。恵まれた体格と、「戦術の可能性を引き出され」最終学年では関東大会出場も経験した。

支えてくれた中学の担任

 「実は、あんまり勉強が得意じゃないんです」と苦笑い。高校の進路を考える際、「堅守速攻」掲げる栃木の名門・矢板中央高校を「自分のプレースタイルに合っていると思った」と志願。練習会に参加し、特待生の話も舞い込んだ。しかし、ネックは勉強だった。「学業の成績次第では特待がもらえないかもしれない」。両親と喧嘩にになることもあった。「もうどうでも良くなって高校のパンフレットを全部捨てたこともあった」と振り返る。

 しかし、諦められなかった。サッカーに賭ける情熱を親にぶつけた。「頑張れと言ってくれました」。結果、特待生としての入学が決まった。

 家族や仲間の応援はもちろんだが、「1番お世話になったのは、中学3年時の担任だった岡正敏先生」だという。進学の後押しの他、サッカーに関しても良き相談相手だったという。現在は教職を離れているというが、頻繁に連絡は取っている。新倉さんの活躍を喜ぶ岡さんは「教え子に会うと“新倉くん頑張っているね“と話題に上がる。彼の活躍は周りの人に勇気を与えるものだと思う。高校3年間で悔しい思いもたくさんしたと思うけど、これまで以上に感謝の気持ちを忘れず頑張ってほしい」とエールをる。

とにかく苦しかった3年間

 知らない土地での慣れない寮生活の始まり。環境の変化や上下関係、ボールにさえ触れない日々、なかなか結果を出せない1年生チーム。「とにかく苦しかった」と振り返るが、部員180人の中でレギュラーを勝ち取るために、「誰よりも自主練をやった」と胸を張る。午後6時の部活終了後は自主練に励み、学食で夕食をとった後は再びグラウンドで汗を流す。9時半に行われる寮の点呼に間に合うように練習を切り上げ、10時半には消灯。規則正しい生活を続け、2年で念願のレギュラーに。第98回全国高校サッカー大会で3位となり、翌年の「全国優勝」を目標に部員一丸となって士気を高めていった。

 副キャプテンとなり迎えた3年。前半は手指の骨折や三角靭帯の損傷など怪我に悩まされた。夏休み中の遠征にも参加できず、焦りばかりが募っていく。それでも「やるべきことを粛々と」行い、9月の高円宮杯JFA U−18サッカープリンスリーグの初戦・対前橋育英戦で復帰した。

 勢いそのままに、第99回全国高校サッカー大会へ。新倉くんは、攻守に渡る活躍を見せ、チームは順調に勝ち進んでいった。昨年の雪辱を果たすべく挑んだ準決勝の青森山田戦は、完敗。新倉くんは、苦楽を共にした仲間や支えてくれた家族、応援してくれたサポーターに「日本一という形で恩返ししたかった。力不足ですみません」と肩を落としたが、「必ずプロになって帰ってくる」と力強い意志を瞳に宿す。

「大学4年間で理想の選手に仕上げる」

 現在新倉くんは、日本高校サッカー選抜の一員として2月20日に埼玉スタジアムで開催する「FUJI XEROX SUPER CUP 2021」の親善試合に向けて準備を進めている。その後も予定されている試合はあるが、選手は随時ふるいにかけられていく。一員になれたことは「チームのおかげ」 と言い、「矢板中央の代表として挑んでいる。だからこそ最後まで残りたい」と気合は十分だ。

 そして、春からは「サッカーに没頭できる環境が整っている」国立鹿屋体育大学(鹿児島)へ。「4年間で自分が理想とする選手に仕上げたい」。幼い頃から一度も変わることなく目標に掲げている「プロ」を目指し、走り続ける。
 

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