書籍を開いた瞬間、牙をむきだして次々と飛び出す恐竜。それに続いて出てくるのは、日本の歴史を紡いできた人物たち…。B3サイズのキャンバスに、アクリル絵具で躍動感たっぷりに描いたのは、矢畑在住のバンティング香奈さん(15)だ。1月に大阪府で開催された全国中学校美術部作品展で、全国4219点の中から100点の「入選作」に輝いた。
見る人の視点学ぶ
描き始めたのは鶴嶺中学校の3年生だった昨年7月。美術部に所属し、1、2年生の頃もこの作品展に挑戦したが、落選した経緯がある。悔しさを晴らすべく、9月の提出に向けて動き出した。
中学生活の集大成と位置付けた本作。3年間の歩みを歴史というテーマに、卒業後の希望をファンタジーな描写にそれぞれ託した。名付けた作品名は「歴史と希望」だ。
美術部の顧問からの指導を受けながら、提出期限ぎりぎりまで何度も修正を施した。「これまで自分の思うままに描くことが多かった。何度も描きなおす経験によって、見る人の視点に立つ大切さを学んだ」と香奈さん。入選がわかった瞬間を振り返り「本当にうれしかった」とほほ笑む。
温かい気持ちになる絵を
物心のついた頃から筆を握っていた。利き手の右手を怪我した時は、左手で描き続けた。食事や睡眠と同じ「生活の一部」だ。
インクペンや水彩、アクリルをはじめ、最近はiPadを活用するなど技術の幅を貪欲に広げる。好きなのは人物画。知人の依頼で描く瞬間がうれしいという。
「人の感情を動かし、人生に影響を及ぼすこともある。それはすごいこと」と美術の魅力を語る香奈さん。この春からは相模原弥栄高校の美術科で学びを深める。「たくさんのことを吸収し、見る人が温かい気持ちになる絵を描いていきたい」と目を輝かせる。
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