筋肉自慢が集う「福島ッスル」で準優勝した 三上 勝之さん 元町在住 30歳
「背中」で受け継ぐ意志
○…「酒樽の持ち上げ」などユニークな方法で総合的な筋力を競う「福島ッスル」に出場し準優勝を掴んだ。王座こそ逃したものの、「鍛えてきたものを出し尽くした」と爽やか。見据えるのはあくまで、トレーニングと挑戦を通した「人間的な成長」だ。
○…7・5畳の空間に敷き詰められたトレーニング機材。TBS系のスポーツ番組「SASUKE」のセットをモチーフとして作られたこの部屋で己を鍛える。持ち主は「師匠」と仰ぐ朝岡弘行さんだ。10年前にインストラクターとして勤めはじめたロコスポーツ湘南(元町)で、朝岡さんは先輩だった。元教師でとび職、そして「SASUKE」の最終ステージに立った数少ない人物のひとり。その珍しい経歴以上に、人柄に魅了された。鍛錬、探求、成長…そんな共通項が、近年ではめずらしい「師弟」という関係を作った。
○…ロコスポーツ湘南でのインストラクターを続けつつ、5年前には本村に「さんじょう治療院」を開業した。鍼灸やマッサージ、トレーニングを通して、一人一人の体と向き合う日々。技術向上はもちろん、生徒や患者に「チャレンジする姿」を見てもらうことで、やる気や共感を引き出すことを大切にする。鍛え続けるもう一つの大きな理由は、「愛する妻を守れるように」。
○…かつてSASUKEに出場した師匠・朝岡さんを、本紙は「人物風土記」で紹介した。そこにはこうある。”近い将来、大きな背中を見つめてきた若い挑戦者が名乗りをあげるかもしれない”。それから20年後、若い挑戦者は語る。「師匠にはまだまだ追いつけないが、少しでも近づけるよう、努力を続けていきたい」。その背中もまた、どこかで新たな挑戦者が見ているはずだ。
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