11月20日にペーパークラフト「クイリング」の作品展示を行う 佐藤 良幸さん 十間坂在住 57歳
感じた形、自由に表現
○…細長い紙を巻いて渦巻き状のパーツを作り、それらを組み合わせて様々な装飾を作る「クイリング」。視覚障がいがありながら、手の感触などを頼りに作品制作に取り組んできた。11月20日には、茅ケ崎駅南口そばの「カフェギャラリーとどや」で初の作品展示を行う。「たくさんの人に作品を見てもらえたら」と笑顔を見せる。
○…2歳で視力を失ったが、元来の活動的な性格でそのハンデを乗り越えてきた。盲学校を卒業後、あんま・マッサージ師として自宅で治療院を開業し25年以上。なじみの顧客も多く「体調が良くなって『ありがとう』と言ってもらえることが何よりうれしい」。パソコンが普及すれば操作を覚え、友人たちとメールで交流。ギターと歌が趣味で、地域のイベントにたびたび出演してきた。声がかかれば小中学校に赴き、障がいについての講演も行う。「自分としては見えないことが当たり前。特別不自由に思ったことはないですね」
○…3年前、市が主催する講座でペーパークラフト作家の沼田純子さんと出会った。「作品を触らせてもらったらすごく立体的で、形がイメージしやすかった。もっと知りたい、と思って」と、以降月2回ほどのペースで制作に取り組む。細かい作業も多いが、難なくこなす。「クイリングのおかげで、様々なものの形について改めて意識して、世界が広がった気がした」
○…最近ではパステル画の制作にも取り組む。手で紙をなぞり、感触を確かめながら、わずかに記憶のある空や土を思い出し色を埋めていく。「新しいことにチャレンジして、それが達成出来た。自分自身にもまだまだ可能性がある。それを知れたことが何よりの喜び。支えてくれた人に感謝ですね」
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