「心のバリアフリー」をテーマにしたポスターが今月から、市内の公共施設、民間施設など203カ所に掲示されることになった。茅ヶ崎市と市民による協働事業で作成されたもので、今後1年間、月ごとにテーマを変えたポスターを掲示する予定だ。関係者は「日常の何気ない場面にあるバリアに気づき、行動を起こしてもらうきっかけになれば」と話す。
12月1日から掲示が始まったのは内部障害をテーマにしたポスター。ヘルプマークに気づいた人が声をかけ、席を譲る場面が描かれている。
作成したのは茅ヶ崎市が2015年に策定した「バリアフリー基本構想」の推進を目指して、16年に発足した、こころのバリアフリー市民部会(斉藤進部会長)。
福祉、高齢、障害の当事者団体や学識経験者、公募市民など15人が同構想の普及啓発を目指し、リーフレット作成や小学校での出張授業など様々な活動を行ってきた。
しかし今春、同部会が作成したポスターが物議を醸す。車いすの人がエレベーターに乗り込む際、先に待っていた人に「ゆずっていただいてありがとう」と声をかけているものだったが「障害のある人が感謝を強要されているように見える」など、様々な意見が寄せられたという。
障害者団体から参加する市民は「自分たちは何を見ていたのだろう、と大変なショックを受けた」と振り返る。
「届けたい人」考える
こうした状況を見て「新しいアプローチ」を呼びかけたのが、今春から公募市民として参加している杜多美咲さん。
普段はデザイン事務所でコミュニケーションに関わる仕事をしている杜多さんは「本当に届けたい人に届く」ことを考えて提案書を作成。「心のバリアフリーを考えた時に、障害があってもなくても全ての人が過ごしやすいまちにしたい、という思いを全員で再確認した」と振り返る。
デザインはイラストレーターの銭宇飛さんとデザイナーの仮井将之さんによるユニット「ルーズドローイング」に依頼。2人にも話し合いに参加してもらいながら「主人公とその思いを伝えられるシーンを考える」をコンセプトに作成を進めている。
「時間はかかるが、こうした話し合いの過程こそがバリアフリーへの第一歩と感じた」と斉藤部会長。「ポスターは小学校などにも配布し、総合学習などに活用してほしい」としている。
■今週から同部会と連携し、月1回連載「広げよう!心のバリアフリー」が始まります。
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