神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
茅ヶ崎版 公開:2022年6月17日 エリアトップへ

市内在住・藤沢譲二さん 「憧れの地」醸成に尽力 サーフィン普及でも功績

文化

公開:2022年6月17日

  • X
  • LINE
  • hatena
店脇の外壁描かれた波をバックに笑顔を見せる藤沢さん=5月27日、東海岸南のフリュードパワーサーフクラフト
店脇の外壁描かれた波をバックに笑顔を見せる藤沢さん=5月27日、東海岸南のフリュードパワーサーフクラフト

 ハワイに魅せられ、茅ヶ崎でサーフィンの普及に情熱を注ぐ傍ら、海を中心とした町づくりに40年以上にわたり心を燃やしてきた藤沢譲二さん(71)。老舗サーフショップのオーナー、第1期のプロサーファーとして日本のサーフシーンの一線で活躍しながら、茅ヶ崎の町を、そして海を見つめ続けてきた。

 母親の姉が住んでいたのがきっかけで、「海外勉強」としてハワイに渡ったのは15歳のとき。そこで、その地で育まれた伝統のスポーツ「サーフィン」と出会う。その感動に震え、「これしかない」と心に決めた。

15歳で渡ったハワイ

 後に出会った、サーフィン界の重鎮であるランディ・ラリックさんからは多大な影響を受けた。ラリックさんのサーフショップに通い詰め、サーフボードのシェイプ(削る工程)、調整といったサーフィン技術について薫陶を受ける。1960年代後半にかけてサーフィン界が米国、ハワイの若い世代で盛り上がりを見せる中、それを支える関連産業の中枢に立ち会えたことを「財産」と表現する。

 ハワイには10年間、25歳まで滞在した。現地に赴けば今でも仲間たちが「お帰り」と迎えてくれる。「第2の故郷だね」

帰国後は茅ヶ崎へ

 帰国してすぐ、次なる拠点として茅ヶ崎を選んだ。先輩のサーフショップもあり、仲間も多かったことが主な理由。地元の人が温かく、誰でも受け入れる風土も気に入った。サーフィン文化を広めたい一心で、サーフショップを経営。客たちに自身の経験を話すと、噂が広がり、サーファーたちが集まるようになっていった。

 ショップでは若手サーファーの育成を目的にスクールを始め、娘が通学していた東海岸小学校の総合学習の授業でもボランティアとして指導するように。この活動は娘が卒業した後も20年以上続けられた。教え子の中にはプロサーファーとして活躍する人もいる。

 頭の中はサーフィンだけでなく、茅ヶ崎の海全体のことを常に考えてきた。20年ほど前は海岸に駐車場、トイレ、シャワーが整っていなかった時代。行政に整備を促そうと、仲間と共に何度となく直談判。時間はかかったが、徐々に利用環境は整ってきた。

 そうした海を取り巻く活動を続けるうちに、次第に茅ヶ崎の愛着の高まり、そして町づくりへと傾いていく。

姉妹都市締結をサポート

 「40年(当時)住み、サーフショップを経営させてもらっている茅ヶ崎に恩返しがしたかった」

 そこで茅ヶ崎とハワイの交流を深めようと、日本サーフィン連盟茅ヶ崎支部とハワイのアマチュアサーフィン協会とのフレンドシップ協定を締結する計画に携わる。締結にあたっては自身にとって大切なハワイに誠意を示すためにも、ラリックさんをはじめとする現地の仲間に根回しをするため、妻の加代子さんに2度の渡航を懇願。加代子さんも思いに賛同した。

 フレンドシップ協定の締結は3度目の来訪で実現。後に茅ヶ崎とホノルル市が姉妹都市を結ぶ際の大きな後押しとなった。現在、市長室に飾ってあるラリックさんが手掛けたサーフボードは、両市が良好な関係を築いている証だ。

 加えて5月から始まったふるさと納税返礼品のサーフボードのシェイプを担当。「うれしい」と笑顔を見せ、「個々の経験、特徴に合わせてオリジナルのシェイプをしたい」と意気込んでいる。

「茅ヶ崎の海見てほしい」

 茅ヶ崎の現状を「今やサーファーだけでなく、多くの人たちにとって憧れの地になっている」とし、「だからこそ、海を見てほしい。向こうには富士山を望み、自然が織りなす四季の風景があり、水の色も変化する。この海を守り、憧れる人たちの受け皿になっていかないとね」

 願ってやまないのが、海と町が一体となった温かいコミュニティのさらなる醸成。何もなかった15歳の自分を受け入れてくれた、愛すべきホノルルのような町に。海を中心に茅ヶ崎を長らく見続けてきた、日本を代表するレジェンドサーファーの秘めたる思いだ。

茅ヶ崎版のローカルニュース最新6

バロック室内楽を楽しむ

バロック室内楽を楽しむ

くすやまホールで5月11、12日

4月24日

多才な開高健に迫る

多才な開高健に迫る

4月27日から企画展

4月23日

玉泉水墨画会展

玉泉水墨画会展

5月8日から文化会館

4月22日

「音楽やりたい」をサポート

「音楽やりたい」をサポート

有限会社長谷川楽器店長谷川徹さん(56)

4月19日

「本当の価値」提供したい

「本当の価値」提供したい

株式会社グローブ企画中川信義さん(54)

4月19日

21日午後から交通規制

<PR>

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 3月1日0:00更新

  • 11月17日0:00更新

  • 11月10日0:00更新

茅ヶ崎版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

茅ヶ崎版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月24日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook