本村の居村B遺跡で11月11日(土)、埋蔵文化財発掘調査の成果や出土品について紹介・解説する「現地説明会」が開催される。時間は午前の部が10時30分から11時30分まで、午後の部は1時30分から2時30分まで。
珍しい水田遺跡
一里塚北通り(国道1号から一里塚交差点を北側に入る市道)のホームセンター「島忠」近くにある同遺跡。9世紀後半(平安時代)から近年にいたるまで、断続的に水田だったことが分かっており、これまでにあぜや導水のための水路などが発見された。県内でも珍しい水田の遺跡だ。
同遺跡で新国道線街路事業に伴う埋蔵文化財の発掘調査が始まったのは1987年。これまで8次にわたって行われた調査では、土器片や木製品などさまざまな遺物が出土している。特に、豊富な地下水によって風化から守られたことで、木製品に文字が墨書された「木簡」がこれまでに6点発見されている。これらは仏教行事に関する行政の指示文書や、公的行事の飲食物の配分を示した帳簿などにあたるもので、市教育委員会では「今後の調査によっては、下寺尾官衙遺跡群との関連なども判明する可能性がある」とする。
今回の説明会では今年9月から始まった第9次調査の成果について、市職員が解説する。
申し込みは不要。小雨決行、荒天中止。問い合わせは市社会教育課【電話】0467・81・7226、当日の連絡は【電話】0467・55・5537現場事務所へ。駐車場や駐輪場はないため、公共交通での来場を。
300年前の足跡も 居村B遺跡説明会
11月11日に開催される居村B遺跡の現地説明会。今回の「注目ポイント」について、茅ヶ崎市教育委員会の三戸智也さんに聞いた。
「ひとつは江戸時代の足跡です。1707(宝永4)年、富士山が大噴火を起こし、茅ヶ崎にも大量の火山灰が降り注ぎました。今回の発掘調査ではその際に踏み込まれた足跡が発見されました。大きさは約23cm。足の指や土踏まず、かかとのくぼみもはっきりとわかります」と話す。
また、平安時代の水田跡からは「炭化した籾殻」がまとまって出土。その意味について「通常遺跡では現地調査後の微細な土壌分析によって少量検出されることが多いのですが、今回は視認できる程度まとまって出土しました。これは稲を育てていたことを物語っており、今後の調査では品種なども判明するかもしれません」と三戸さん。「平安という古代の水田跡が見られることはあまりありません。祭祀的意味合いも含めて営まれていたであろう1200年前の人々の生活の一端を感じてもらえたら」と話している。
![]() 足の形がはっきりわかる
|
|
<PR>
茅ヶ崎版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>